倉庫保管料とは?坪単価・パレット保管料の相場についても徹底紹介!

倉庫保管料は物流担当者にとっても頭を悩ませているのではないでしょうか。物流コストを考えるうえで重要な部分になりますが、倉庫保管料についてよく理解していない人もいるのではないでしょうか。倉庫保管料にはどのような料金形態があるのか、計算方法について詳しく見ていきましょう。

さらに、倉庫保管料の相場を理解しておくことによって、見合った金額かどうかを判断できるようになります。倉庫を選ぶ時のポイントも含めて、詳しく説明していきたいと思います。

倉庫保管料とは?

倉庫保管料とは、荷物を一定期間保管するために倉庫事業者へ支払う費用のことをいいます。物流コストを構成するうえで主要な要素の一つでもあり、物流の量が多ければ多いほど負担に感じることになります。物流コストには、保管料以外にも輸送量・作業量によっても違いがあります。日本ロジスティックスシステム教会にて発表されている資料によると、全業種における物流コストの物流機能別構成は以下の通りです。

輸送料:57.6%

保管料:16.4%

その他(荷役料・包装費・物流管理費):26.0%

(出典:公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会「2023 年度 物流コスト調査報告書【概要版】」/https://www1.logistics.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/cost_report_20240426.pdf)

物流保管料は大きな割合を占めているわけではないため軽視されがちです。

とはいえ、出荷量の増量にかかわらず発生する「固定費」でもあります。長期的な物流コストに与える影響は決して小さなものではないからこそ、保管スペースの使い方や料金形態を理解しておくことは無駄なコストを削減するうえでも非常に重要になってきます。

倉庫保管料の料金形態|料金算出時に用いられる単位

倉庫保険料の料金形態は、主に5つあります。どの料金形態においても倉庫保管料を算出する際の単位として使われているもので、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

個建て

保管する荷物1個あたりの保管料のことをいいます。預けている個数に対して保管料がかかるようになるため、数が多いほど費用が高くなります。個建てがよく使用されている理由として、荷物のサイズが同一で管理しやすい特徴を持っているからです。荷物の大きさが同一ではなくばらつきがある場合は、個建てを選択してしまうと余計なスペースが発生してしまい、使いにくさを感じるようになります。商品によっても個建てが向いているケースと向いていないケースがあります。

パレット建て

パレット1台ごとに設定されている料金のことをいいます。重量のある荷物を運ぶときにフォークリフトを使ってパレットを使って移動させていきます。使っている量に比例して保管料を計算していく仕組みになります。荷物ごとに保管するのではなくパレットに乗せた状態で保管できるため、効率的に移動できる特徴があります。コストを大幅に削減できるようになるため、コストなど相対的に見て比較しつつ自社にあっている料金形態かどうかを決めるようにしてください。

容積建て

荷物の全体「横」「高さ」「縦」の容積を保管料より算出する方法です。一般的には立方メートルを単位として使うことが多く、容積を必要とする海上コンテナのような荷物を保管したいときに向いています。ただし、保管するうえでコンテナを使うかどうかによって料金が追加になることもあります。コンテナは特別な操作や設備を行うためにも付帯費用がかかる場合も考えられます。

坪建て

保管料を調べるときに一坪あたりの単価に対して坪数をかけて計算する方法になります。

あくまでもスペースに応じて費用がかかるようになるため、荷物が同一である必要もないため柔軟に利用できる点も特徴です。形状やサイズによる差がなく、多くのケースで利用されている方法になります。坪建て

には、2つの利用方法があり使用した分の請求を行う「使用坪契約」と、使用する坪数を最初に計算して固定して使用する「固定坪契約」となります。保管したいものや量によっても変わってくるため、自社に適した方法を選ぶようにしましょう。

重量建て

サイズによる保管料の計算ではなく総重量を使って調べる方法のことをいいます。荷物によってはサイズを計算しづらいものもありますし、液体のような荷物を預けるときにも適しています。重量建ての場合は、1トンなどの大きな単位で保管料を算出するようになります。

【形態・単位別】倉庫保管料の計算方法

計算方法については、前項でも説明した通り「単位によって異なる」特徴を持っています。

それぞれの計算方法は以下の通りとなります。

個建て:「保管商品数 × 個建て単価」

パレット建て:「使用パレット数 × パレット単価」

坪建て:「使用坪数 × 坪単価」

容積建て:「商品容積× 容積単価」

重量建て:「商品重量 × 単価」

が基本の計算方法となります。

それぞれにポイントは変わりますが、パレット建ては長期的に保管する場合はコストが多くなってしまいがちです。坪建ては、倉庫によっても単価が変わりますし、都市部のほうが倉庫の坪単価も高く設定されています。費用を抑えるのであれば地方倉庫のほうが安価になる傾向もあるのです。

倉庫保管料の計算期間と算出方法

倉庫保管料の計算方法は、前述でもお話したように倉庫によって計算方法が異なります。

物流業界では利用期間別の算出方法として「一期制」「二期制」「三期制」と呼ばれる形態があります。

自社が扱っている商品を外部に委託した際に発生することが多く、計算方法も変わってきます。

それぞれ、どのような違いがあるのか詳しく説明します。

一期制

一期制は、1か月ごとの単位で保管料を計算していきます。そのなかでも「最大在庫数」によって計算していくため、急な在庫数の減少には対象できません。1か月ごとに管理されているため、在庫を把握しやすいものの柔軟な対応が期待できるわけではありません。

例えば、月の在庫数が200個で単価あたりの保管料が10円だったとします。

保管料を計算するときは、200×10=2,000円と計算します。

二期制

二期制は、1か月を半分に分割して計算していきます。それぞれの期間によって保管料を計算したあとに最後に合算をして利用料金を出していきます。倉庫によっても異なりますが、一般的には以下のような分け方にて行います。

  • 第1期 毎月1日~15日まで
  • 第2期 毎月16日~月末まで

といった分け方をしています。

二期制は、1か月のなかで在庫が安定しないときでも柔軟に調整しやすい特徴を持っています。

例えば、第1期在庫200個、第2期在庫100個、単価の保管料の場合、3,000円の計算となります。

三期制

三期制は、1か月を3つの期間に分けて、それぞれを計算し保険料を合算する方法です。

  • 第1期 毎月1日~10日まで
  • 第2期 毎月11日~20日まで
  • 第3期 毎月21日~月末まで

など倉庫によっても異なりますが、それぞれ期間の保険料を算出したうえで合算して計算しています。

例えば、第1期在庫200個、第2期在庫100個、大3期在庫100個、単価の保管料の場合、4,000円の計算となります。

分割する回数が増えてしまうため、複雑な計算になってしまう点は注意が必要になります。

良さとして、在庫数が安定しないときに損なく保管料を支払できるのも特徴と言えるでしょう。

「一期制」「二期制」「三期制」と種類がありますが、最も多くの倉庫で使われているのが三期制です。三期制は、在庫が変動しても保管料を無駄なく支払ができるメリットもあります。在庫が一律とは言えないケースが多く、時期によっても変動していきます。在庫に合わせて変動費が使えることや保険料が固定されないこともあり、余計な保管料を抑えることにも繋がります。

倉庫保管料の相場

倉庫保管料の相場が実際にどの程度のものなのか「坪単価」と「パレット保管料」にわけて説明します。

坪単価の相場

倉庫保険料の坪単価は地域による違いが最も影響する部分です。前述でも簡単に説明しましたが、都市(首都圏)のほうが費用が高く設定されており、5,000円〜7,000円(坪)がかかります。地方都市になると3,000円~4,000円(坪)と安く設定されています。また、地域によってはこの相場よりも安い価格帯の坪単価もあるため、予算に合わせて適切な坪単価かどうかを確認することも大切です。実際に保管する商品の種類・量によっても影響してしまう部分と言えます。

とはいえ、坪単価を安くしたいからといってアクセスの悪い倉庫を選ぶのもおすすめできません。輸送に時間がかかってしまうこともありますし、ドライバーの確保が難しくなってしまうリスクも考えられます。

パレット保管料の相場

倉庫に荷物を保管するためには、パレットに乗せる必要があります。移動させるときにもまとめて動かせますし、管理のしやすさからみてもパレットの存在は重要です。パレットの計算においては1パレットで0.5坪が目安の基準となります。常温で保管しやすいものになると、月額2,000円程度が一般的になります。パレットの数が増えればその分費用の相場も増えていく計算になります。また、短期的な利用なのか長期的な利用なのかによっても変わってくるため、自社が希望するコストにどのように影響するのかも含めて考えておくのをおすすめします。

倉庫利用時に発生する保管料以外の費用

倉庫利用時に発生する保管料以外の費用について見ていきましょう。

  • 入庫時に検品する検品料金
  • 棚入れなどの費用にかかる入庫料
  • 集荷や出荷作業などにかかるピッキング費用
  • 輸送にかかる配送料

などの費用がかかるようになります。料金を考えるうえで、保管料など部分的な費用で考えるのではなくトータルでいくらになるのかも重要です。また、これらの費用は、あくまでも一般的な倉庫に保管するときにかかる費用になってきます。商品によっては冷蔵や冷凍が必要になるため、別途設備を用意しなくてはいけなくなるため、費用がかさんでしまうことも考えられます。

他にも、重量感のある荷物を移動させるためのフォークリフトを使用する場合は、デバンニング料などもかかってきます。荷物の種類によっても追加でかかってくる費用もあるため、自社の見積もりを依頼することで比較しつつ最適な倉庫を探すようにしておきましょう。

物流倉庫を選ぶ際のポイント

物流倉庫を選ぶ時に、料金の安さに惹かれることも多いのではないでしょうか。

とはいえ、大切な商品を保管しているからこそ、料金の安さだけで避けるのはおすすめできません。

選ぶ際のポイントについて、3つ紹介していきたいと思います。

●料金とサービス内容のバランス

物流倉庫を選ぶ時に、利用料金と提供するサービスのバランスが適切かどうかを確認することも重要になってきます。安価な倉庫を選んでしまうと、十分なサービスを受けられなくなってしまったり追加料金がかかってしまうこともあります。高額な倉庫だとしても、追加のオプション費用を必要とするケースもあります。倉庫によって料金形態が変わってくるからこそ、保管料やそのほかにかかる費用も含め隠れた費用があるかどうかを確認するようにしましょう。

●立地(配送エリアとの適合性)

物流倉庫を選ぶ時に立地も重要なポイントになります。実際に配送するエリアから距離が離れていない範囲で倉庫選びができないと、移動距離もかかりますしドライバーの確保も難しくなってしまいます。港周辺や空港から近い倉庫であれば、国際物流にも役立ちます。スピーディーな受発注に繋げるためにも、配送エリアとの適合性も含めて確認するようにしてください。

●出荷量の増減への柔軟な対応力

物流倉庫を選ぶ時は、在庫量の変動に対応できる柔軟性も確認しておくのをおすすめします。在庫の増減に対応できない倉庫になると、必要に応じて新しい倉庫を探す必要も出てきてしまいます。また、在庫数が少ない時は保管料にかかっていたコストを減らすなど、時期に合わせて調整ができるようになります。在庫数は一律ではないからこそ、倉庫で柔軟に対応してくれるかどうかも確認しておきましょう。

まとめ

倉庫保管料の相場や選ぶ時のポイントも含め、詳しく解説しています。保管料以外にもさまざまな費用がかかってくるからこそ、トータルで判断し自社の希望にあった倉庫を探すようにしましょう。また、保管時にパレットを使用することで商品の移動もしやすく、保護する意味合いもあります。倉庫を選ぶ時に料金やサービスの内容のバランスがとれているかどうかも、確認しておきましょう。

倉庫保管におけるパレットをお探しの方はROUTE88にお気軽にご相談ください。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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