パレット輸送とは?4つのメリット・パレットの種類・5つの課題点も

工場や倉庫などでパレット輸送を検討している人もいるのではないでしょうか。パレット輸送といってもパレットの種類もさまざまで、運搬する内容に合わせてどれを選んだらいいのか迷っている人もいると思います。パレットには、どのような素材や形状があるのでしょうか。

また、パレット輸送ならではのメリットや課題、問題点など押さえておきたいポイントを徹底的に紹介していきます。パレット輸送について、もっと知りたいと考えている人は参考にしてみてください。

パレット輸送とは?

パレット輸送とは、荷物を運搬するパレットを用いた輸送方法のことをいいます。パレットは、荷物の保管や移動・輸送や運搬などさまざまな場所で使われています。フォークリフトを使うときにも欠かせないものになるため作業の生産性を高め、作業効率化や負担を軽減させてくれることでも知られています。輸送中に荷物に傷がつかないようにダメージから守るような役割もあります。重い荷物であってもスムーズに移動できる点もパレット輸送の良さといえるでしょう。

パレット輸送のメリット

パレット輸送にはたくさんのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットが期待できるのか詳しく見ていきましょう。

荷役作業の効率化を図れる

パレット輸送は、荷役作業の効率化を図れるメリットが期待できます。手作業で荷物を移動させるよりも、パレットを使うことで荷物の積み込みや積み下ろしの作業が簡単にできるようになります。フォークリフトを用いることで作業を減らせるため、高齢の方や女性でも安心して作業ができます。人手不足に悩んでいる業界だからこそ、作業時間を短縮し負担を軽減させることにも繋がります。

ドライバーの負担軽減につながる

パレット輸送は、ドライバーにかかる負担の軽減にも役立ちます。人が荷物を持つにも限界がありますし、身体にとっても大きな負担となってしまいます。フォークリフトがないと移動できないため、資格が必要になり、操作可能なスタッフの配置について考える必要があります。とはいえ、広い倉庫のなかで商品の輸送がスムーズになりドライバーにとっての負担軽減などたくさんのメリットが期待できます。

荷物の保管・管理がしやすくなる

パレット輸送では、荷物の保管・管理がしやすくなる点もメリットといえるでしょう。細かい荷物であっても、パレット単位でまとめておくことができますし、運搬の手間を減らすことにも繋がります。商品がどこにあるのかを管理しやすくなり、作業をスムーズに進められます。

荷物の破損・汚損リスクを軽減できる

パレット輸送では、梱包用のストレッチフィルム(ラップフィルム)を使用することで荷物をしっかりと固定し輸送中の安定感を向上させることにも繋がります。巻きつけるだけなので使いやすく、輸送中の落下を防いでくれるアイテムとしてもおすすめです。

フォークリフトを使用する際も、機械を差し込んで運搬し、直接触れることがありません。輸送中に荷物が破損するリスクが大幅に減少するため、取扱いが難しい荷物も輸送しやすくなります。また、手作業で積み込む場合は積み下ろしの回数も増えてしまいます。荷物の破損や汚損になる可能性も高まりますし、一部に力が入りすぎてしまう可能性も出てきます。

パレット輸送が「運送・物流業界の2024年問題」の解決策とされる理由

運送・物流業界では「2024年問題」が浮上しています。2024年問題とは、働き方改革においてドライバーの労働時間に上限ができることによって考えられるさまざまな問題のことを言います。

ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されるため、一人あたりの走行距離が短くなり長距離で物を運べなくなってしまいます。ドライバーはもともと長時間労働になりやすく、いかに作業効率を高め負担を減らせないかを大きな課題としていました。

2030年には34.1%のドライバー不足が発生するともいわれています。

若手のドライバーも少なく、高齢化が進んでいるからこそフォークリフトのように、力仕事を必要とせず作業ができる環境を整えていく必要があります。

近年、通販サイトの需要の高まりもあり、労働者にかかる作業負担が増えてしまっています。そのためにも、荷物の積載効率を高めて、運搬回数を軽減するなどの短縮も大きな課題となっています。

運送・物流業界も「予約システムの導入」「出荷体制の見直し」「手作業の軽減」「情報の共有化」などさまざまな取り組みを進めています。他にも、ドライバー自身の労働環境を改善するために「運賃の見直し
」「その他費用の収受」なども必要です。

そもそも「物流パレット」とは?

そもそも、物流パレットとは、何か説明します。

パレットの代表的な「素材」・「形状」

物流パレットは、荷役台のことをいい荷物を置くための場所です。両サイドに差込口がついているもので、移動させるときはフォークリフトのツメの部分を差して輸送させます。物流パレットには素材によるシュルもあり、世界的に使われている「木製パレット」を始め、プラスチック製や金属製、紙製などもあります。また、物流パレットの形状も種類があり、使用する用途や目的に合わせて使いやすいものを選択します。

物流パレットについては、こちらでも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。

物流パレットの詳細はこちら

パレットの代表的な「素材」の種類4選

一口にパレットと言っても素材はさまざまです。
代表的なパレットの素材について詳しく説明していきます。

木製パレット

パレットのなかでもよく使われているもので、細い木材を組み合わせて作られています。耐久性に優れていること、コストを抑えて使いたい人から選ばれています。また、木製パレットは荷物の形状に合わせてオリジナルの形を生産することもできるなど、柔軟性の高さにも定評があります。

荷物の滑りを防ぐことも期待できますが、定期的なメンテナンスを必要とします。木材を使用しているため、経年劣化でささくれ部分がでてきてしまったり、虫食いがおきてしまうこともあります。

木製パレット

プラスチックパレット

プラスチックパレットは、別名「樹脂パレット」とも呼ばれています。パレット部分にフォークリフトやハンドリフトを差し込んで運ぶのを前提としたもので、重量感のあるものを運搬したいときにも使えます。

作業効率の高さも期待でき、メンテナンスの負担が少なく使いやすいのも特徴です。木材のように虫食いや腐食、カビが発生するリスクも少なく、長期的に使えるパレットを探している人にもおすすめです。

トータルコストを下げつつ、荷物の輸送や保管をしたいと考えている人にも向いています。

プラスチックパレット

金属パレット

金属パレットは「スチール素材」「アルミ素材」のいずれかのものに分類されます。よく使われているのはスチール製の金属パレットで、亜鉛メッキ処理を行ったものがほとんどです。熱で曲がってしまうことやねじれが起こりにくいなど、耐久性にも優れています。

また、素材的に錆びにくいのもあり衛生面を重視しているような「医療業界」の商品の運搬にもよく使われています。運搬・輸送だけでなく保管面でみても適したパレットといえるでしょう。

紙パレット

紙パレットは、軽量化を重視したパレットです。紙というと耐久性に問題があるようなイメージを持っている人もいるのですが、強度が高くコストを抑えて使える点もあり、少人数で荷物を運ぶときにも適しています。また、軽量だからこそ運搬する時のコストを抑えられますし、使用後はリサイクルして回収の手間を省ける点も大きな特徴といえるでしょう。

パレットの代表的な「形状」の種類4選

パレットには素材の他にも、さまざまな形状があり種類があります。
代表的な形状のなかで4種類を紹介していきたいと思います。

平パレット

平パレットは、上部構造物がついていないシンプルな形状のものです。

単位で荷物をまとめ輸送するときなどに使用されており、保管するときにも使われています。フォークリフトを使ってツメを差し込んで移動できるものになり、用途に合わせて素材を選択しやすいのも特徴です。

前述で紹介した木製やプラスチック、金属製、紙製などの種類があるため、何を運ぶのかに合わせて平パレットのなかで選びましょう。

ボックスパレット

ボックスパレットは、側面(3面・4面)を装着したものになり、立体的な形状をしています。ケースのような形になっているため、積み上げるのが難しい荷物を運びたいときにも役立つのが特徴です。

具体的には野菜や果物など、積み上げて保管できないものを運ぶときに、側面や蓋がついているため輸送中に落としてしまう心配もありません。使用していないときは折り畳み式のボックスパレットを選べば、限られたスペースのなかでも効率的に使用できます。

ポストパレット

ポストパレットは、支柱を持っているものになり、荷物を直接積載できます。そのため、重量感のある荷物をトラックを使って輸送するときにも便利です。布製の大きなロールタイプの荷物を移動させたいときにも、そのまま運搬ができるので余計な手間もかかりません。支柱の高さを調整できるタイプのパレットもあるため、必要に応じて調整できる点が注目されているパレットといえるでしょう。

メッシュパレット

メッシュパレットは、メッシュ状の板を立体的にして組み合わせたものです。高い収納力でも知られており、使用出来る幅が広いなど実用性が高い点も注目されています。

軽量素材で移動に向いていることや、外から見たときに何を保管しているのかが一目で分かる点も特徴です。さらに、重量感のある荷物はフォークリフトを使って移動させることもできるなど、効率を重視できる点も良さと言えるでしょう。

メッシュパレット

パレット輸送の5つの課題・問題点

パレット輸送は運送・物流業界の労働環境の改善に貢献する一方で、いくつかの課題や問題点も少なくありません。具体的にどのような課題・問題点があるのか見ていきましょう。

フォークリフトの使用・操作が必須となる

パレット輸送では、フォークリフトの使用が必須となります。パレットの素材によっても変わりますが、重いものになると重量が数十キロを超えるものも少なくありません。

人が手動で運搬するのが難しくなるため、フォークリフトの使用・操作を行う必要が出てきます。フォークリフトは、運搬作業を安全に行う為にも、特定の技能や知識を必要とします。そのため、有資格者でないと操作ができないため、人材を確保するのが難しくなってしまうことも考えられます。

設備導入にかかる費用負担が大きくなる

パレット輸送は、パレットの購入費や荷物を積載するためのバレタイザー、運搬用のフォークリフトなどの設備導入費用も必要です。他にも、物流の受注管理や在庫管理を行う為のシステム導入費、訓練費用などの費用もかかってきます。また、維持するための費用などもあるため、トータル的に考えなくてはいけなくなります。パレット輸送のためにはまとまった費用を用意しなくてはいけなくなり、負担に感じる企業も少なくありません。

パレットの利用・保管に適した広いスペースが必要となる

パレットを利用するためには、保管や管理のための広いスペースが必要になってきます。工場によっても広さが変わってくるからこそ、必ずしもスペースを確保できるとは限りません。作業エリアにも影響してしまうと、効率低下の原因になってしまう可能性も考えられます。いかにスペースを有効的に活用するのかを考え、適切なサイズのパレットを選択することが大切です。

積載率がかえって低下するおそれがある

パレット輸送は、トラックのなかのスペースも大きくとってしまいます。そのため、積載率が低下してしまい、輸送効率の低下の原因となる場合も考えられます。輸送コストが増えれば、経営面に影響する可能性も十分に出てくるでしょう。トラックの大きさによっても変わりますし、パレットサイズを調整したり、梱包方法を変えるなどの工夫も必要になります。

荷崩れリスクがある

パレット輸送には、急ブレーキやカーブのときに荷崩れしてしまうリスクが考えられます。他にも、フォークリフトのツメの破損、荷下ろしの際にラップを外したときの荷崩れなどさまざまな要因で荷崩れしてしまうリスクが考えられます。パレット輸送の荷崩れリスクを減らすためには、形状や積み重ね方に注意するのはもちろん、重いものから順に積むなどの工夫をしておきましょう。

まとめ

パレット輸送はドライバーの負担を軽減しつつ、荷物の保管や管理にも使いやすい良さがあります。その反面、フォークリフトの操作には資格が必要になりますし、コスト面の問題も出てきます。また、適切なパレットを選ばないと荷崩れのリスクもあるでしょう。

ROUTE88では、お求めやすい価格で中古パレットも取り扱っています。パレット輸入のコストを抑えて導入したい人は、レンタルも行っていますので利用してみてください。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。