物流倉庫などで、商品を保管するときに使用しているものといえば「ネステナー」ではないでしょうか。別名、ネスティングボックスとも呼ばれており、一般的なものでもあります。ネステナーには、正ネステナーと、逆ネステナーがありその違いがわかりにくい人もいるのではないでしょうか。それぞれの違いはもちろん、選び方に迷ったときのおすすめの方法や導入についても詳しく説明します。ネステナーの違いについて、わかりにくいと感じている人は参考にしてみてください。
もくじ
逆ネステナー(逆ネスティングラック)とは?
逆ネステナー(逆ネスティングラック)とは、直置きしている商品のうえに立体的に保管するためのものです。省スペースでも商品を有効的に置くことを目的に設計されたものになり、上下の2段に商品を保管できることや、上向きにも下向きにも使用できます。また逆ネステナー(逆ネスティングラック)の最下部の部分は、ハンドリフトを使い荷物を出し入れすることも可能です。シンプルな構造ではありますが、耐久性に優れている点も、逆ネステナー(逆ネスティングラック)の魅力と言えるでしょう。
そもそも、ネステナーとは倉庫などで商品を保管するために使うラックのことをいいます。平パレットとセットで使用することが多く、立体的に積み上げられる点もあり倉庫のなかの保管能力を高めます。一口にネステナーといっても種類があり、大きく分けて正ネステナーと逆ネステナーがあります。それぞれに特徴も異なるため、商品ごとに適したものを選ぶようにしていきましょう。
(内部リンク:ネスティングラック)
(内部リンク:ネステナーとは?種類からメリット・注意点・選び方まで)
【項目別】正ネステナーと逆ネステナーの主な違い
ネステナーでも正ネステナーと逆ネステナーの違いがわかりにくい人もいると思います。格子状の棚が上部に取り付けられているものを「逆ネステナー」といい、下部にある基本的な形状をしたネステナーを「正ネステナー」といいます。正ネステナーは、パレット同様に荷物の積載面の下にフォークリフトの差し込み口もついています。それぞれ、具体的にどのような違いがあるのか詳しく説明していきます。
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重量と耐荷重
正ネステナーも逆ネステナーも重量において大きな違いがあるわけではありません。正ネステナーは、46kg〜の重量であるのに対して、逆ネステナーは、53kgと差が出てきます。
同じサイズで比較したときに、逆ネステナーのほうがやや大きなサイズ感である程度の違いがあります。また、耐荷重においては、大きな違いがなく1段1000kg程度まで対応できます。正ネステナーは、そのままの形状でトラックに詰め込むことも可能ですし、保管だけでなく出庫にも対応しています。倉庫の中のレイアウトを頻繁に変えたいときにも使われているのが特徴です。
接合方式
正ネステナーの接合方式は、レールタイプの「レールオンレール方式」が多くなります。レールオンレール方式は、地震にも強いといわれている方式になり、上下のレールの角度を少しだけ変えて接合しています。角度が一定ではないからこそ、わずかな隙間が生まれやすくなります。そのため、地震のときにクッションとしての役割を担ってくれるため、安全性を高める方法として知られています。
逆ネステナーの接合方式は、下ピンタイプ「プラグ方式」が多い傾向があり、一部レールタイプも取り入れられています。
オプションパーツ
ネステナーのオプションパーツの多くは、形状を問わずに装着できるものが多くなります。
ただし、正ネステナーならではのパーツや、逆ネステナーならではのパーツも少なくありません。
正ネステナー:パレトップ・金網ガード
逆ネステナー:下段荷物専用棚・連結パレット(ブリッジ)
例えば、パレトップは正ネステナーの最上段の部分を有効的に使用できるもので、保管するスペースを増やしたいときに使用します。逆ネステナーで使用する連結パレットは、2台の逆ネステナーをつなぐときに使用するなど、それぞれに見合った使い方があります。
逆ネステナーのメリット
逆ネステナーには、たくさんのメリットがあります。
それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
天井高が低い場所にも設置できる
逆ネステナーは、正ネステナーと比較したときに低く狭い場所でも使いやすいのが特徴です。特に2~4段に積み重ねたときの高さに大きな違いが出てくるため、収納しておく商品が多い場合は逆ネステナーのほうが向いています。高さに差ができるのは、逆ネステナーはパレット部分を床に直置きしていることが理由です。天井の低い場所での設置にも向いているので、一つの選択肢として使ってみてもいいと思います。
1台で上下2箇所にパレットを設置できる
逆ネステナーは1台で上下2箇所にパレットを設置することが可能です。ネステナーをそろえるコストもかかるため、少ない台数で多くの荷物を収納したいと考えている人にも向いています。耐久性にも優れているため、パレットをより効果的に設置したいと考えている人にもおすすめです。
また、段を重ねる用のピンが上に向いていることや、下向きのピンも2種類完備しています。強度も高く角パイプの部分が裂けてしまうこともなく、はめ込みをスムーズにできるのも特徴と言えるでしょう。
下段の荷物は資格のいらないハンドリフトでの出し入れができる
逆ネステナーは、荷物を置くための棚部分が、上部に設置されています。最下段はハンドリフトを使ってパレットの収納ができるのもあり、重量感のある荷物を移動させたいときにも便利です。ハンドリフトは、資格をとらずに運転できるため、女性や高齢者など重量感のある荷物を持つのが難しい人でも、軽々と運べるようになります。荷物の出し入れをより簡単にしてくれるのもメリットと言えるでしょう。
正ネステナーのメリット
正ネステナーにもたくさんのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
安定性に優れている
正ネステナーは、前述でも説明した通り、レールオンレール方式を採用しています。角度の微妙な違いによるクッション効果もあり、地震に強く安定性にも優れています。地震が揺れるほどに強く食い込むようにできているため、より一体感を生みだしやすくなります。クッション効果によって地震の揺れが、直接他の段に伝わりにくくしてくれるのも特徴です。免震構造と呼ばれる仕組みを、ネステナーでも取り入れているのが、正ネステナーのメリットとも言えるでしょう。
また、本体に対して重心が低いためより安定性が高く、横からの力にも対応できます。フォークリフトが衝突してしまったときにも、荷崩れするような偏りが起きてしまっても安定感があるのが特徴です。
荷物を積んだまま移動できる
正ネステナーは、荷物を積んだままでも移動できる点もメリットです。倉庫のなかは常に一定とは限りませんし、在庫状況にあわせて見直すことも必要になってきます。正ネステナーは荷台に荷物を置いたままでも移動できますし、フォークを高い位置で移動させる必要もありません。
荷物を安定させた状態で移動できることや、移動が簡単なのもあり、需要によって調整しやすい点も特徴です。倉庫内のレイアウトを変える頻度が多い人にとっても、扱いやすいネステナーと言えるでしょう。
パレット以外の荷物も保管できる
正ネステナーは、荷台が下についていることもあり、パレット以外にものを収納するときにも向いています。また、オプションでネステナーの側面の部分に網状のガードを取り付けることで収納の範囲を広げられることや、荷台にボードを置いて調整することも可能です。保管するものがよく変わる場合には、正ネステナーを選んだ方が使いやすく、メリットとして感じられると思います。
逆ネステナーと正ネステナーの選び方ガイド|おすすめなケースは?
逆ネステナーと正ネステナーにはそれぞれ特徴があります。
そのため、必要なシーンに応じて、適切に使い分けることが大切です。
具体的にどのようなシーンで使い分けたらいいのか、おすすめのケースについて、詳しく紹介していきたいと思います。ネステナー選びに迷ったときに参考にしつつ、決めるようにしてみてください。
逆ネステナーがおすすめなケース
逆ネステナーをおすすめするケースは以下の通りです。
- 置けるパレットの数をできるだけ多くしたい
- ハンドリフトを使って荷物の移動をしたいと考えている
- 天井が低い建物でも使えるネステナーがほしい
- 少ない台数でも多くの荷物を収納したい
より多くの荷物を保管・移動させたいときに逆ネステナーが向いています。2つのパレットが置ける分、ネステナーの導入コストを下げたいと考えている人にも使いやすいと思います。
正ネステナーがおすすめなケース
正ネステナーをおすすめするケースは以下の通りです。
- 倉庫内のレイアウトを頻繁に変えたいと考えている
- 商品の安全性を重視して、地震にも備えたい
- 運ぶ荷物の種類が多く大きさや重量が一定ではない
- できるだけ重量の少ないものを選びたい
- オプションのネストップをつけて逆ネステナーと併用したい
正ネステナーは、安全性が高く柔軟性に富んだネステナーといえます。比較的小さな重量になるため、倉庫内のレイアウトを変えるように、自由に動かしたい人にも向いています。特に、日本はいつ地震が起きてもおかしくないといわれていますし、できるだけ揺れに強い仕組みを作りたい人にとっても、正ネステナーが役立つと言えるでしょう。
逆ネステナーの主な導入方法3選
最後に、逆ネステナーの導入を考えている人向けに、具体的にどのような方法があるのか説明します。
主に「新品の購入」「中古品の購入」「中古品のレンタル」などの3つの選択肢があります。
それぞれにメリットが変わってくるからこそ、自社に適した導入方法を選択していきましょう。
新品の購入
逆ネステナーを購入する場合、最初に思いつくのが新品の購入だと思います。既製品として出来上がっているものをそのまま購入する方法もありますし、オーダーメイドで必要な大きさの逆ネステナーを購入する方法もあります。
オーダーメイドの場合は、10台以上など一定以上のロット数を注文することが条件となっており、少数では注文できないことも多くあります。そのため初期の導入コストとしてまとまった費用が必要になる場合も考えられます。ただし、オーダーメイドは、自社に適したサイズで発注ができることもあり、規定サイズでは合わない狭い倉庫で商品を保管したいときにも最適です。
中古品の購入
逆ネステナーを購入する方法として、中古品での購入もあります。新品よりもコストを抑えられるため、大きなコスト削減を希望している人に向いています。また、逆ネステナーをできるだけ早く購入したい人にとっては、中古品のほうが早く手に入る場合もあります。
ただし、中古になると状態がいいものばかりとは限らず、耐久性で見てもそこまで長く使えないような逆ネステナーもあります。一度に多くの逆ネステナーを導入したいと考えており、コストを抑えたい人に中古品はおすすめです。
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中古品のレンタル
逆ネステナーの中古品をレンタルする方法もあります。レンタルの場合、一定期間のみ利用することもできるので、保管場所を気にする心配もありません。倉庫内に逆ネステナーを置くようなスペースがないものの、取り扱っている商品を一時的に保管するために、逆ネステナーを導入するようなケースもあります。
購入してしまうとイニシャルコストの負担も大きくなるため、レンタルとして期間を決めて利用する方法もあります。季節ものや、どのくらいの期間使用するのか決まっていない人に、レンタルは向いています。
まとめ
逆ネステナーは、パレット数が多くハンドリフトを使って移動できるタイプです。正ネステナーは、安全性が高く柔軟性があり地震にも強い仕様です。それぞれの特徴を理解しつつ、自社にあったネステナーを選ぶことが大切です。また、中古のネステナーを探している人は、ROUTE88にお任せください。種類豊富に取り揃えていますので、相談しつつ最適なネステナーを探せるようにしていきましょう。