物流パレットの選び方|素材・形状・サイズ・仕様を徹底解説!

物流の効率改善のために、パレットの導入を検討している人もいるのではないでしょうか。一口にパレットといっても素材や形状・構造・サイズや積載効率などのさまざまな違いがあります。何を運搬するのかによっても選ぶパレットが変わってくるからこそ、業者ごとの違いも出てきます。

これからパレット選びを考えている人向けに、何をポイントに選んだらいいのかそのためのコツも含めて詳しく解説していきたいと思います。

そもそも「物流パレット」とは?

物流パレットとは、荷物を効率よく運搬して保管するために使われる「土台」のことです。フォークリフトのツメを差し込める仕様になっており、重量感のある荷物でも簡単に持ち上げ移動できる仕様になっています。従来では荷物を人間の力で積み上げる必要があり大きな負担となっていましたが、パレットを使用することで効率的な作業を実現できるようになりました。物流パレットの出荷量も増加傾向にあり輸送に使われる機会も増えています。

物流パレットを選ぶ際にまず考えるべき要素

物流パレットは、単純に「荷物を置く台」としての役割を担っているわけではありません。荷物の輸送や保管、安全性やコスト、環境負荷にとっても大きな影響を与える重要な要素としても知られています。

そのため、物流パレットを選ぶ際にまず考えるべき点は「運搬する荷物の特性」と「使用環境」と言えるでしょう。具体的には、業種によって異なる荷物をどのような環境で、どのくらい運ぶのかを押さえておくことが大切です。この点が決まっていれば、導入するパレットの適切な素材や形状、サイズ、耐荷重などの選定もスムーズにできるようになります。

物流パレットの選び方・ポイント(1)素材

物流パレットと一口に言っても、さまざまな素材があります。

素材によっても性能やコストが大きく変わってきます。それぞれ物流パレットの特徴や性能・コスト面やどんな荷物、運搬環境に適しているのかを詳しく解説していきます。

木製パレット

木製パレットは、古くから使われているパレットになり強度や耐荷重性に優れています。生産し廃棄するまでのコストが安く、一部が破損した際も修理を行い使用できる特徴を持っています。木製パレットは湿気に弱く湿度の高い環境には向きません。

また、防腐剤を使用し害虫のリスクもあるため燻蒸など殺虫処理を行った木製パレットのみとなります。木製パレットはオーダーメイドでの作成にも適しているため、他のパレットでは対応するのが難しい荷物を運搬するのにも適しています。木のささくれのリスクがあるため、袋状の荷物や食品の輸送には向いていないため注意しなくてはいけません。

プラスチックパレット

プラスチックパレットは、ポリエチレンやポリプロピレンで作られたパレットです。軽量で扱いやすく耐久性にも優れています。そのため、現在最も多くの業界で使用されているパレットになりますが、貨物が滑りやすい点は注意して扱わなくてはいけません。

そのため、保護としてラップを巻いたうえで、滑らないような対策をしておくことが大切です。輸出時に使用するパレットにも向いているため、湿気が高い環境や殺虫処理も必要ありません。プラスチックパレットは一度破損してしまうと再生できないため、廃棄しなくてはいけないデメリットもあります。

金属製パレット

金属製パレットは、アルミニウムもしくは鉄(スチール)を使って作られたパレットです。他のパレットと比較すると、生産枚数は比較的少なめになります。重量感があるため、耐久性には優れていますがほとんど使われることはありません。

主に取り扱いが難しい衣料関係や航空貨物輸送に使われることが多いパレットとしても知られています。鋭利な物質を扱うときでも安心して使用できるため、工場などの製造現場でも使われています。繰り返し使用できるパレットでもあり、汚れが気になったときも丸洗いできる点も、金属製パレットの特徴です。

段ボールパレット

段ボールパレットは紙製パレットと呼ばれるものになり、紙や段ボールを使用して作られています。軽量なマテハン機器としての需要も高まっており、ワンウェイパレットとしての使用が一般的です。紙を原料に使っているため、リサイクルでき環境負荷を低減できる良さもあります。

持続可能な物流を実現したいと考えている企業にとっても選択肢の一つとも言えるでしょう。やや強度には欠けるため重量感のあるものを運搬するのには向きません。製造コストが安く購入しやすいことや、軽量で運びやすいこと、スペースを取らずに使えるパレットとしてもおすすめです。

物流パレットの選び方・ポイント(2)形状・構造

物流パレットを選ぶ際の形状や構造について説明します。また、物流パレットの形状・構造は主に運ぶ荷物の特性や輸送・保管環境に応じて決めるのが、最も合理的な方法と言えます。

具体的にどのような特徴があるのか、運搬する荷物や保管環境なども含めて説明します。

平パレット

物流パレットの平パレットは、上部に構造物がついておらずフォークリフトの差込口がついているものです。最もよく見かけるタイプのパレットになり、平らでケース単位の商品を運搬するのにも向いています。平パレットは、木製のものや金属製、プラスチック製、紙製などのさまざまな素材にて作られ、日本のみならず世界でもよく使われているものです。

荷物を安定的に運べますし、効率的な運搬を実現します。シンプルだからこそ使いやすく、荷物を一括にして持ち上げることも可能です。輸送中の荷崩れを防ぎ運搬したい人にとっても十分に使い勝手の良いパレットと言えるでしょう。

ボックスパレット

ボックスパレットは、安定性のない荷物を安全に適切に運搬するためのパレットです。一般的な平パレットとは違い、四方に壁が設置されているものになり、荷物が落ちないように守ってくれる効果が期待できます。不安定な形状の荷物を運ぶ時や、細かい部品や小さな部品を運ぶ時にも有効的な方法です。

また、ボックスパレットは金属製やプラスチックを使っているため、衛生的にも優れており軽量で扱いやすい特徴があります。耐久性の高さもあり、厳しい条件下でも使用されており、積み重ねにも適しています。空間を有効的に使いたい人にもおすすめです。

ロールボックスパレット

物流倉庫もしくは流通業界などでよく使われているものがロールボックスパレットです。四方が囲まれた形状を持っており、車輪がついているため重量感のある移動にも適しています。小物や細かい荷物を落とすことなく効率的に運搬でき、荷物を出し入れするのも簡単です。

作業効率を高めたい人にとっても使い勝手の良いパレットといえます。また、普段保管しておくときは折り畳みができるため、スペースをとる心配もありません。食品や医療品などの衛生面を重視されるような荷物の運搬や、長期間保存しておくときにもロールボックスパレットが使われています。

ポストパレット

ポストパレットは、積載力の高いパレットとしても知られています。四隅の部分に支柱がついている特徴があり、荷物をしっかりと固定する役割を担っています。輸送しているときに荷崩れしにくい設定になるように作られたものになり、安定性の悪いものを移動させるときや積み重ねが必要なときにも有効です。

重量感のある荷物や大型のものを移動させることもできますし、運ぶ荷物の種類や輸送条件に応じて選ぶことも可能です。倉庫の中で保管したいときや輸送、スペースを有効的に使いたいときにもおすすめです。

物流パレットの選び方・ポイント(3)サイズ・積載効率

物流パレットの選び方について、サイズや積載効率のそれぞれを見ていきましょう。

〇サイズについて

日本で流通しているパレットは「1,100mm×1,100mm」のT11です。運搬する荷物に特別な理由がない限りは、業界のなかで標準的に利用されているサイズのパレットを選択するのをおすすめします。パレットにもさまざまなサイズがありますが、同じ規格だと積み上げやすく積載量を増やすことにも繋がります。T11型は、主に食品・日用品・医薬品業界などに使われています。

とはいえ、T11型による標準化が完全に進んでいるとはいえず、40%以下の普及率だといわれています。そのため、T11を普及させる動きが政府をはじめとして進められています。

〇積載効率について

パレットサイズを選択するときは、輸送するときにどれほど効率的に積載できるかどうかを確認するのも重要なポイントになります。例えば、コンテナ内寸が同じトラックの中にサイズが異なる2種類のパレットを積載すると仮定します。標準規格であるT11型の場合は、床面積載効率は93%となり無駄なく載せることも可能です。14型のパレットになると88%と無駄が増えてしまうことがわかります。積載効率を高めることでより多くの荷物の空間を無駄にせず運ぶことにも繋がります。

物流パレットの選び方・ポイント(4)その他の仕様

物流パレットの素材や形状・構造・サイズ・積載効率はパレット選定における基本的なポイントになります。自社に適したパレットを選ぶためには、いくつかポイントを押さえておく必要があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

「最大動荷重」と「最大静荷重」

パレットの重さを表すときに、「最大動荷重」とは1枚のパレットに対して載せられる最大値を示したものになります。パレットの上に乗せたままで荷役を行い動かすため動荷重といいます。一般的には1,000kgのものが多く見られます。「最大静荷重」は、荷物を載せたパレットを保管するときに積み上げていい段数の目安のことをいいます。積みすぎてしまえば、パレットの変形の原因となります。

「片面パレット」と「両面パレット」

パレットの片面パレットとは、表面の形状が表・裏で変わります。平らな状態になっており裏面にわずかな隙間が空き軽量化が期待できるパレットとしても知られています。両面パレットは、裏表のどちらを使っても、形状や強度に変化がないパレットのことをいいます。両面パレットは袋状のものを段積みするときにも使いやすいもので、荷卸しのときにフォークリフトのツメで袋が破けてしまうこともありません。

「二方差し」と「四方差し」

パレットの二方差しは前後に差込口があり、2つの方法からフォークリフトを差し込むことが可能です。四方差しは前後以外にも左右にもフォークリフトの差込口があるため、場所を選ばずにフォークリフトを差し込んで使えるようになります。自由度の高い方法としても知られており、業務効率を高めてくれます。

「リユース型」と「ワンウェイ型」

パレットのリユース型は、企業が購入またはレンタルをしていて繰り返し使用しているパレットのことをいいます。実際に使用したあとは回収したり再利用を前提としているため耐久性にも優れ何度でも使用できます。初期投資が必要なものの、長期的な視点で見ると1回のコストが低くなります。

物流パレットの購入方法についてはこちらでも詳しく解説しています。

「物流 パレット 購入方法」

ワンウェイパレットは、1回の輸送で使い捨て、もしくは回収せずに廃棄することを前提としています。コストを抑えられるものの、廃棄費用や環境負荷も出てきてしまいます。短期的な輸送コストを抑えたいときや海外輸出の際に使用するパレット向きです。

まとめ

物流パレットを選ぶ際は、パレットのサイズや積載効率、素材や仕様などさまざまなポイントを考慮したうえで選ぶ必要があります。まず、パレットを使って何を運搬したいのかを考えたうえで、適切なパレットを選び使えるようにしていきましょう。パレット選びに迷ったときは、Route88に中古のパレットがたくさんありますので選ぶ時の参考にしてみてください。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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