物流現場などで欠かせないパレットにも種類があり、リサイクルパレットや再生パレットについて耳にしたことがある人も多いのでパレットないでしょうか。とはいえ、リサイクルパレットにはどんなメリット・デメリットがあるのか知らない人もいると思います。物流担当者のなかで、リサイクルパレットの導入を考えている人向けに、特徴や購入するときに覚えておきたいチェックポイントについても詳しく解説していきたいと思います。リサイクルパレット・再生パレット選びの参考にしてください。
もくじ
リサイクルパレット再生パレットとは?
リサイクルパレットとは、再生プラスチックを使い作られたパレットのことをいいます。環境問題に対応するために作られたパレットでもあり、選別された良質なプラスチックを使用しているのも特徴です。
再生プラスチックパレットや、リサイクル樹脂パレットと呼ばれることもあります。一部のパレットでは、廃棄用の木製パレットをリサイクルとして使用している場合もあります。補修しても使用することが難しい時は廃棄せずに使える部材を取り外して新しいパレットに再生して使用することもあります。処分するための費用を削減しつつ、新品購入コストを下げることにも繋がります。
軽量で扱いやすく、安全性も確かなので輸送や保管などさまざまな場所で使われているのも特徴です。
衛生的に使いやすいパレットとしても知られており、超寿命でさまざまな場所でも使われています。
リサイクルパレットとプラスチックパレットの違い
リサイクルパレットはプラスチック・樹脂製となるため、プラスチックパレットの一種として考えられています。しかし、厳密にいえばプラスチックパレットは純粋なプラスチック原料を使用して作られたものになります。そのため、リサイクルパレットは、使用済みの再生プラスチックを原料としている点に違いがあります。リサイクルパレットは、プラスチックパレットと比較してコストを抑えられる点や、木製パレットに比べて強度と耐久性が高い特徴も持ち合わせています。
具体的には以下の表にまとめましたので違いを比較してみてください。
強度・耐久性 | コスト | |
リサイクルパレット | 〇 | ◎ |
プラスチックパレット | ◎ | △ |
木製パレット | △ | 〇 |
>>プラスチックパレット(中古/新品)の一覧はこちら
【3STEP】リサイクルパレットが製造される流れ
リサイクルパレットが製造される具体的な流れを3つのステップで解説します。
質の高いリサイクルパレットを作るためにも重要な工程となります。
STEP1:回収・選別
リサイクルパレットにおいて一番に行う工程は、原料になるプラスチックを収集することです。そのためにも、家庭から出た廃プラスチックや製造現場にて発生した不良品などの原料となる素材を回収し選別していきます。回収できるプラスチックの幅は広く、PPバンドや使用済みパレットなども対象となります。その後、人によって仕分けを行い異物を取り除いたあとに種類ごとに分別していく作業が必要になります。リサイクルパレットの強度や耐久性を高めるためにも、回収・選別は重要な作業となります。
STEP2:破砕・洗浄
回収や選別を行ったリサイクルパレットは、その後破砕・洗浄の作業へと進めていきます。集めた素材を細かく砕いたうえで余計なものが付着していないかどうか、汚れを丁寧に取り除く作業が必要になります。例えば泥や異物などが対象になり、油分なども取り除く必要があります。きれいに洗浄したあとに比重分離などの選別を行い、より細かい状態に分類していきます。最後に水分をしっかりと取り除く処理を行い乾燥や脱水の作業を行うようになります。
STEP3:再生樹脂ペレット化・成形
最後に、洗浄されたプラスチックを再生樹脂としてプラスチック製品へと変えていきます。まずは専用の装置を使いつつ、プラスチックを高温で溶かしていくことが必要になります。粒上の再生ペレットに加工したあとに、溶け切らないものがあれば不純物としてみなしフィルターを使って除去していきます。リサイクルパレットの質を高めるためにも、十分な除去作業を行うようにしていきます。ここまでの手順を踏んだうえで、原料として使えるようになります。さまざまな手順があり、リサイクルパレットが誕生していることが工程からもわかってもらえると思います。
リサイクルパレットを使用するメリット
リサイクルパレットを使用することには、多くのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
環境負荷の低減に貢献できる
リサイクルパレットは、環境問題に適したパレットと言えます。本来、廃棄されるはずの廃プラスチックを使用しているため、環境に優しく使用できます。プラスチックは処分しにくく、焼却や埋め立てにて処理を行っています。再利用ができれば、二酸化炭素の排出量を抑えられることもあり、原料である石油の使用料を抑えられるという特徴もあります。資源を再利用できる点もリサイクルパレットのメリットと言えます。
一般的な物流パレットよりも安価に調達できる
リサイクルパレットは、一般的な物流パレットよりもコストを抑え安価に調達できる特徴があります。再生したプラスチックを使用しているため、純度の高いプラスチックを使用するよりも製造コストを抑えられるメリットがあります。また、維持コストもほとんどかからない特徴を持っているため、年間のトータルコストを抑えることも可能です。リサイクルパレットをワンウェイパレットで使用する場合、輸出後の回収コストを抑えることもできます。
ワンウェイパレットとしても活用できる
リサイクルパレットは、ワンウェイパレットとしての使用にも適しています。そもそも、ワンウェイパレットとは、輸出したあとに回収をしない前提で使用しているパレットのことをいいます。今までパレットを回収するのが一般的だったため、回収のコストが大きくなってしまい負担となっていました。再度利用することを前提としていないため、回収はもちろん洗浄したり返送する負担もなくなります。物流業界にとっても業務を効率化できるようになるため、ワンウェイパレットは便利な方法としても取り入れられています。
リサイクルパレットは安価で使いやすい素材であるため、処理の手間が少なく洗浄してワンウェイパレットとしての使用にも適しています。
耐久性に優れている
リサイクルパレットのように、リサイクルを原料としていると品質として劣ると思われがちです。実際には製造時の品質管理がしっかりとしていれば、新品プラスチックパレットと同等レベルの耐久性が期待できるようになります。また、プラスチックパレットそのものが木製パレットのように腐食する心配もなく虫害にも強く、万が一汚れても洗浄ができます。メンテナンスも簡単にできるため、長期保管にも耐えられます。
リサイクルパレットを使用するデメリット
リサイクルパレットの使用には多くのメリットがある一方で、使用時の注意点ともいえるいくつかのデメリットも存在します。具体的にどのようなデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
品質に若干のばらつきが生じやすい
リサイクルパレットは品質が一定に保ちにくい点はデメリットと言えます。使用される原料は十分に厳選したものではあるのですが、回収もとになる廃プラスチックの劣化状態が一律とはいえません。プラスチックの種類による違いもありますので、形成が一定になりにくい課題も出てきてしまいます。リサイクルパレットは比較的扱いやすいパレットではあるのですが、強度や耐久性にも影響を及ぼしてしまうこともあります。品質を一定の維持ができない点は、リサイクルパレットのデメリットと言えるでしょう。
オーダーメイドでの製作が難しい
リサイクルパレットは、オーダーメイドの製作には適していません。環境面で優れているものの、ほしい独自のサイズが用意できるとは限りません。リサイクルパレットも、既定のサイズ以外の製品を製造するときは、専用の金型を用意しなくてはいけません。そのための時間もかかりますし、まとまった初期コストも用意しなくてはいけません。初期コストの負担が大きくなってしまうため、オーダーメイドで作りにくい点も、デメリットと言えるでしょう。
破損時の補修ができない
リサイクルパレットは、破損してしまったときの補修に対応していません。そのため、もし破損が見られたときは、処分しなくてはいけなくなります。前述でも述べたようにリサイクルパレットの強度は一律とは言えないからこそ、破損する程度も変わってきます。リサイクルに適している分は環境に優しいものの、修理もできないため柔軟性に適したパレットとは言えない問題もあります。
リサイクルパレットの調達方法
リサイクルパレットの主な調達方法には「商社・販売代理店からの購入」と「新品・中古販売通販サイトからの購入」の2通りがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
商社・販売代理店から購入する
リサイクルパレットは、商社・販売代理店より購入することができます。事前に問い合わせをしたうえで、パレットの用途や数量に応じたパレットの提案を受けつつ、購入するようにしていきます。リサイクルパレットに興味があるものの、初めて購入する人にとっても便利な方法と言えるでしょう。どの種類やサイズを選べばいいのかわからない人も専門的なアドバイスを受けられる点もメリットです。
一方で、商社・販売代理店経由の購入になると「数十枚以上」など、ある程度まとまった数量での注文が前提になることも少なくありません。そのため少量での購入が難しくなってしまったり、1枚あたりの単価が通販サイトよりも高額になってしまうことも考えられます。
新品・中古販売通販サイトから購入する
リサイクルパレットは、通販サイトより購入することも可能です。通販サイトでは、新品・中古品を取り扱っておりそれぞれ異なる方法にて選ぶようになります。通販サイトの場合、店舗を持っていない分1枚単位から購入可能なケースもあり、費用を抑えつつ購入することも可能です。特にコストを抑え中古パレットを入手したいと考えている人にとっても大きなメリットです。
中古品であっても状態をしっかりと確認したうえで、メンテナンスを行われている商品が多くなります。そのため、品質保証や返品対応が用意されていることも少なくありません。実物を確認できないものの柔軟に対応してくれる点も、通販サイトにてリサイクルパレットを購入する良さと言えます。
リサイクルパレットを購入するときのチェックポイント
リサイクルパレットは新品と違って、素材や状態にばらつきが出やすい特徴があります。用途や保管場所に合った製品を選ぶことが大切です。購入時のチェックポイントについて説明したいと思います。
●素材・構造
リサイクルパレットは、「再生プラスチック100%」のものや「新品樹脂と混合」など製品によって原料にも大きな違いがあります。中空構造や一体成型のように構造の違いが、強度や耐久性を変えてしまうこともあるため、使用環境や荷重に応じて最適なリサイクルパレットを選ぶのをおすすめします。
●耐荷重・使用環境
リサイクルパレットの積載物の重さや、屋外・屋内のどちらで使用するのかによっても必要な耐荷重や耐候性が変わってきます。屋内であればそこまで心配はないものの、屋外に長期保管している場合は、耐候性や耐水性にも優れているかどうかを確認しておきましょう。木製パレットと比較しても維持コストを抑えられるリサイクルパレットは、屋外の設置にも向いています。
●サイズ・形状の確認
リサイクルパレットは、JIS規格や独自規格などのサイズの種類もさまざまです。どのような倉庫やトラックで使用するのか、フォークリフトとのサイズが一致しているのかを事前に確認しておくのをおすすめします。またフォークリフトに合わせて、片面使用なのか両面使用なのかによって積み上げ方なども変わってきます。そのため、サイズや形状に合わせて最適なリサイクルパレットを選ぶ必要があります。
まとめ
リサイクルパレットは、環境にも優しいのはもちろん製造コストを抑えつつワンウェイパレットとしての使用も可能です。できるだけコストを抑えたいと考えている人にこそ、リサイクルパレットの使用をおすすめします。リサイクルパレットについてもっと詳しく知りたい人や、少ない枚数から購入したいと考えている人は、ROUTE88にご相談ください。最適なパレットも含めアドバイスいたします。