木製パレットとは?サイズ規格・メリット・取り扱いにおける注意点も

物流業界や倉庫でよく見かけるのが木製パレットではないでしょうか。数あるパレットのなかでも生産数量が1番多いことでも知られており、身近な存在といえるでしょう。環境に配慮したパレットをお探しの方にとっても、比較的コストが低くオーダーメイドに対応できる点も特徴です。そんな木製パレットについて、価格相場はもちろん、メリット・デメリットについても詳しく紹介していきます。木製パレットについてもっと詳しく知りたい人は、参考にしてください。

木製パレットとは?

木製パレットとは、その名前からもわかるように「通り木」によって作成されたパレットです。木材はリサイクルが可能ですし、持続可能な社会の実現にも繋がるパレットとしても注目されています。環境基準が高い欧米でもよく使われているパレットになり、柔軟性の高さでも知られています。温度の変化にも強く、材質に変質が起きることはありません。故障したときも部分的に補修できますし、長期的に使用出来るパレットとしてもおすすめです。

木製パレットの使用業界と活用シーン

木製パレットは、滑りにくい性質になり静電気の影響を受けることはありません。
そのため、他のパレットには向かない製品を扱う企業でもよく使われています。

業界

  • 物流・倉庫業界
  • 製造業
  • 食品・飲料業界
  • 農業・林業
  • 貿易・輸出入業 など

他にも、印刷や製本などの紙を扱うような企業にも欠かせないパレットです。

用途

主に商品・貨物の保管・輸送
輸送時の荷役作業の効率化を目的に使用されています。資材の流通や、保管だけに限らずDIYやインテリア、トラックの運搬や輸出入などに使われることもあります。また、比較的コストが安いのもあり、複数回使用しないときのパレットとして、木製パレットを使うことも珍しくありません。

木製パレットのサイズ規格

一般的に流通している木製パレット(木製平パレット)のサイズは、「JIS Z 0604」によって規格が定められています。木製パレットサイズの規格は大きく分けて7種類あります。

  • 1,100mm×800mm
  • 1,100mm×900mm
  • 1,100mm×1,100mm
  • 1,200mm×800mm
  • 1,200mm×1,000mm
  • 1,300mm×1,100mm
  • 1,400mm×1,100mm

最も標準的なサイズは1,100mm×1,100mmのパレットでよく見かけるサイズのものです。木製パレットのなかでも、最も小さい1,100mm×800mmのパレットはB版パレットとも呼ばれているものです。サイズ感によっても使いやすさが変わってきますので、迷ったときは標準サイズをおすすめします。

木製パレットの強度基準

木製パレットには強度に関する基準が厳格に定められています。
まずは具体的にどのような基準項目があるのか詳しく見ていきましょう。

項目 内容
脚部圧縮強度 4mm以下であること
曲げ強度/たわみ率 2.5%以下であること
曲げ強度/残留たわみ率 0.5%以下であること
下面デッキボード強度/たわみ率 2.5%以下であること
落下強度/対角線変化率 3%以下であること

市場に流通している木製パレットは、これらのテストをクリアしたものです。
そのため、初めての人でも安心して使用できるのも特徴と言えるでしょう。

木製パレットの形状

木製パレットにもさまざまな形状があります。
種類も多いため主な形状についてわかりやすく説明していきます。

形状 特徴
単面形(スキッド) すのこにも利用できる、低コストタイプのもの。使い切り用に最適
片面使用形 ハンドリフトにも使用できるもの。コストが安く強度は普通
両面使用形 一般的なパレット。上下に板がついているため強度が高く使いやすい
両面使用形四方差し フォークリフトのツメの差し口が4つある。強度も高く使いやすい
単面形四方差し フォークリフトのツメの差し口が4つある。置き方に制限がない
単面単翼形 上板が突き出た形状をしている。ワイヤーにて吊り下げも可能
両面使用複翼形 両面使用でき、上板が突き出ているためワイヤーにも適している
片面使用形四方差し フォークリフトのツメの差し口が4つある。比較的上部に使える

単面形(スキッド)

単面形(スキッド)・単面形四方差し・単面単翼形などの種類があります。木製パレットのなかでも下板がついていないタイプのものです。そのため、他のものと比較して軽量で低コストのものが多くなります。置き方の制限がないなど、さまざまな使い方ができるのも特徴です。ただし、強度が低めなものが多いので耐荷重を求める人には向いていません。使い切り用の木製パレットを探している人にもおすすめです。

片面形

片面使用形・片面使用形四方差しなどの種類があります。片面ではありますが、フォークリフトのツメ差し口がついていたり、ハンドリフトが使えるものです。工場で作業効率を高めつつ行いたい企業に向いているパレットといえます。置き方に制限もなく柔軟性の高い使い方ができる木製パレットと言えるでしょう。単面型と比較すると耐久性にも優れているのが特徴です。

両面形

両面使用形・両面使用形四方差し・両面使用複翼形などの種類があります。木製パレットのなかでもよく見かけるタイプのものになり、上下に板がついているものあり最も強度の高い木製パレットといえます。両面のどちらも使用出来るため、使用用途も高く使いやすく保管にも適しています。フォークリフトの差込口もあるため、置き方の制限もありませんし、使い勝手の良さもポイントと言えるでしょう。

木製パレットで使用される木材の種類

木製パレットに使用されている木材は、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類があります。

針葉樹は、国産でいえば松や杉などを使用しています。供給量も多いため、手ごろな金額で購入できるものが多いタイプです。短納期にも対応できるためワンウェイパレットとしても使われています。リサイクルにも対応し環境に優しいのも特徴です。輸入性のものも多くニュージーランド産のものも多く見かけます。

広葉樹は、アジアの南洋材を使ったものです。国産のものはほぼありません。輸入に頼っていることもあり供給量が少なく高価なものが多くなります。寿命も長く強度にも適しているので長期的に使用出来る木製パレットを探している人向きの木材の種類と言えるでしょう。

木製パレットのメリット

木製パレットにはたくさんのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

比較的安価で購入できる

木製パレットの木材によっても異なりますが、比較的安価で購入できるコストパフォーマンスの良さも特徴といえます。生産するときに金型を必要としないため、事前に準備するものが少なくコストを抑えられるといわれています。また金型がないため、荷物のサイズによっても自由にカスタマイズが可能です。規定のサイズでは合わない製品を運搬する企業にとっても使いやすいと思います。
そのためワンウェイパレットのように一度きりのみ使いたいときにも便利です。

温度変化による影響を受けにくい

木は温度管理が難しいと思われがちなのですが、木製パレットは温度変化の影響を受けにくいといわれています。温度管理が難しい場所で使用するパレットにも適している点もメリットと言えるでしょう。また、低温の場所でも結露する心配がないので製品が濡れてしまうことがありません。

よく見かけるプラスチックパレットも耐久性には優れていますが、高温・低温環境に弱いため木製パレットを使用するほうが安心して使用できると思います。

補修ができる

木製パレットは、いくつもの木材を組み合わせて作られています。プラスチックパレットとは違い、部分的な故障であっても補修ができるので無駄になることもありません。パレットはひびが入ってしまうこともあり、買い替えになった経験もあるのではないでしょうか。木材を交換する必要はありますが、耐久年数を伸ばすこともできます。パレットにもさまざまな種類がありますが、補修をしつつ長期的に使えるパレットを探している人にもおすすめです。

木製パレットのデメリット

木製パレットはたくさんのメリットがありますが、デメリットも存在します。
具体的にどのようなデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

害虫被害が発生しやすい

木製パレットは、保存環境が悪いと害虫が発生しやすいデメリットがあります。特に海外から輸出されたときにパレット部分に害虫が発生していることもあり、生態系に影響を及ぼしてしまったこともあります。輸出するときに木製パレットを使うことも多いのですが、適切な害虫管理が出来ていないと使用許可がでないこともあります。木材を使用している以上、必ず影響してくる部分になるため、害虫対策をしっかりと行うようにしておきましょう。

経年や水濡れによって腐食しやすい

木製パレットのもう一つのデメリットは、腐食する可能性があることです。経年劣化や水濡れをそのままにしておくことで、徐々に腐食が進んでいきます。パレットとしての耐久性の低下にもつながってしまうため、長期的に使用するのが難しいケースも少なくありません。腐食に気付かずに使ってしまい、トラブルの原因になってしまうこともあります。定期的なメンテナンスも含め管理を行うようにしていきましょう。

木製パレットの取り扱いにおける注意点

木製パレットを扱ううえで、2つの注意点について説明します。
木材を使用しているからこその注意点でもありますので必ず覚えておきましょう。

輸出時は熱処理または燻蒸処理・誘電加熱処理が必須となる

木製パレットを海外に輸出するときに、熱処理または燻蒸処理・誘電加熱処理が必要になります。
前述でも説明しましたが、害虫が他国に入り生態系に影響が出てしまえば大きなリスクとなります。他国に侵入・まん延しないための条約として定められているものです。木製パレットのなかでも厚さが6mm以上の非加工木材が対象となるため注意してください。熱処理は、56℃以上の環境で30分以上保持するなど、明確なやり方があります。燻蒸処理は臭化メチルまたはフッ化スルフリルを使用して行い、誘電加熱処理はマイクロ波を使って行うものです。詳しい条件を確認してから進めるようにしてください。

使い終わった木製パレットは産業廃棄物として処理する必要がある

貨物輸送で使用している木製パレットは「木くず」の扱いとなります。産業廃棄物になるため、一般的なゴミとして処分が出来ません。そもそも産業廃棄物とは、事業のなかで発生した廃棄物であり20品目に該当していることをいいます。産業廃棄物は収集・運搬→中間処理→最終処分の流れで行う必要があり、自分たちで処分するのは限界がありません。専門の業者に依頼して処理を行う必要が出てきます。また、産業廃棄物はきちんと処理されているかどうか、確認することも必要になってきます。

まとめ

木製パレットは柔軟性が高く、耐久性に優れ低コストで使用しやすいパレットです。故障した部分があれば部分的に交換して対応できるなど、環境面でも優れています。ただし、取り扱ううえで処理が必要になる事、害虫被害や腐食するリスクなども十分に考えられます。

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木製パレット

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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