一言にパレットといってもさまざまな種類があります。なかには、メッシュ状に金属製の板を立体で組み合わせて作る、メッシュパレットが気になっている人もいるのではないでしょうか。他のパレットとの違いやどのように使うのか、適しているのかイメージしにくい部分もあるかもしれません。メッシュパレットを使用するメリット・デメリットはもちろん、どんなサイズがあるのか詳しく説明します。メッシュパレットの導入を検討している人向けに詳しく説明していきますので、参考にしてみてください。
もくじ
メッシュパレットとは?
メッシュパレットとは、金属で作った網上の板を組み合わせて作られたパレットのことをいいます。箱状になっており、キャスター付きのものとキャスターなしのものがあります。荷物の運搬に使用されることが多く、保管するときにもよく見かけます。キャスターなしのものは、フォークリフトやハンドリフトで使われることが多くなります。使わないときは折りたたんだ状態で保管できるのもあり、限られたスペースのなかで使えるパレットを探している人にもおすすめです。
メッシュパレットとパレティーナの違い
前述でも紹介したように、メッシュパレットとパレティーナは同じものです。メーカーによって呼び方が異なるため、違うものだと認識してしまう人もいるのではないでしょうか。メッシュパレットは「パレティーナ」以外にも「メッシュボックス」や「ボックスパレット」「網パレット」などのさまざまな呼び方があります。いずれも同じものを指しているため、使い勝手の良さも変わりません。
網パレ・鉄カゴパレットとは違う?
網パレや鉄カゴパレットも同じメッシュパレットのことをいいます。見た目が金属の網上の板を組み合わせているため、特徴をまとめて網パレや鉄かごパレットの呼び方をしている場合が多いようです。
メッシュパレットの使用業界と主な活用シーン
メッシュパレットは、汎用性の高さもあり物流や製造業界でよく見かけるものです。
- 食品加工工場
- 物流倉庫
- 建設資材工場
- 農作物栽培農家
- 古紙回収業者
など、さまざまな場所で使われています。
他にも部品製造メーカーや工業用などに使われていることも少なくありません。使用する部品が多く、一度に運ぶには限界がある商品を運搬したいときにも使えます。大量の荷物を移動させるときに何を運搬しているのか一目で確認できるメッシュパレットは使いやすくおすすめです。また、メッシュ構造になるため通気性に優れており、食品や農作物などの保存や輸送にも役立ちます。
ただし、積み方に気を付けないと傷の原因となってしまうこともあるため注意しなくてはいけません。使い方も工夫次第で多様なやり方ができるため、物流にとっても欠かせないパレットと言えるでしょう。
メッシュパレットを使用するメリット
メッシュパレットには、さまざまなメリットがあります。数あるパレットと比較しても、イニシャルコストに優れ安価で購入できる良さもあります。柔軟性も高く、さまざまな業界で取り入れられているのもそれが理由です。メッシュパレットを使用するメリットについて、詳しく説明していきたいと思います。
折り畳んでコンパクトに収納できる
メッシュパレットは、メッシュ状の形状を活かし折りたたんで保管できるメリットがあります。パレットは大きなサイズのものが多く、倉庫を圧迫してしまうことも少なくありません。使わないときは折りたたんだ状態で重ねて保管できるようになるため、少ないスペースで収納できます。また、メッシュパレットの場合、折りたたみと組み立て作業に特別な工具を必要としません。一人でも簡単に作業がしやすく、作業効率を高めることにも繋がります。
段積みに対応できる
メッシュパレットでも同じ型式のもの同士を組み合わせれば、段積みすることも可能です。立体的に設置できることもあり、工場のなかで限られたスペースを有効的に使用できます。ただし、注意点として、なかになにもいれずにメッシュパレットのみを段積みするのはおすすめしません。自重が軽いメッシュパレットは何かの衝撃で落下してしまう危険性があります。また、開けっ放しにせずに使い終わったらすぐに閉じるなど、段積みするときならではの注意点も覚えておきましょう。
耐久性に優れている
メッシュパレットは耐久性に優れているため、頻繁に荷物を運搬している業界に向いています。メッシュ工場になるため軽量性に優れていること、原料に金属を使用しているためとても丈夫です。商品を保管するときにも適していますし、バラものの取扱いにも向いています。一度購入したメッシュパレットは、長期的に使用出来るためコスト削減に繋がる点もメリットと言えるでしょう。
重量物の運搬にも対応できる
メッシュパレットは、比較的軽量ではありますが、確かな耐久性を持ったパレットです。そのため、重量物には適さない印象を持っている人もいるかもしれません。原料に金属を使用しているため、プラステックパレットと比較しても丈夫ですし、重量のある荷物をいれるのにも適しています。運ぶものを選ばずに使える点もメッシュパレットの良さです。そのため、工場やリサイクル工場でも多く使われており、多様な使い方ができる柔軟性の高さもメリットと言えるでしょう。
中身が分かりやすい・取り出しやすい
メッシュパレットは、メッシュで作られているため中身が一目で分かりやすい点も大きなメリットです。積み込んだ荷物の内容や量を把握しやすいため、いちいち開き確認する手間も省けます。また、中身を取り出しやすい点もメリットになり、上部に開口部がある構造なので大きな部品も簡単に取り出せます。前方が開くタイプもあるなど、用途に合わせて選択しやすいのも特徴です。
運搬・持ち上げ・移動が簡単にできる
メッシュパレットの下には「フォークポケット」と呼ばれる、フォークリフトのツメ部分を差し込むための空間があります。フォークリフトで安定して運搬や持ち上げを行うときにも便利に使えます。
また、メッシュパレットのなかにはキャスター付きのものもあります。人の手を使って移動することも簡単なので、目的や用途に合わせて選ぶようにしましょう。ただし、キャスター付きだと段積みの安定性にかけてしまい、商品によってはフォークポケットの使用に影響することも考えられます。キャスター付きがいいかどうかは、よく考えて決めるのをおすすめします。
メッシュパレットを使用する際の注意点
メッシュパレットを使用することはたくさんのメリットがありますが、注意点もあります。
具体的にどのような点に気を付けるべきなのか、詳しく見ていきましょう。
デリケートな内容物は圧力によって損傷する可能性がある
メッシュパレットは、重量感のあるものをいれるのにも適していますが、崩れやすいものや壊れやすいものをいれる時は、十分に注意しなくてはいけません。特に農作物など柔らかいものを運ぶときは、慎重に取り扱うようにしてください。メッシュ構造だからこそ、外部からの圧力によって損傷する可能性も考えられます。外部からの圧力がかからないように工夫をすることや、デリケートなものはメッシュパレットを使わないなどの対策を行うようにしましょう。
段積み中は中身を取り出せない
段積みをしているときは、中身を取り出せなくなってしまう点もデメリットといえます。無理に取り出そうとすれば、メッシュパレットの強度を下げることになってしまいます。安全性が維持できない作業は事故の原因になってしまうリスクもあります。どうしても中身を出したいときは、パレットを一度降ろした状態で、行うようにしておきましょう。積み上げるときはメッシュパレットの耐荷重を超えることのないように、十分に注意して扱うようにしてください。
メッシュパレットのサイズ一覧
メッシュパレットは商品によって、外寸サイズが異なります。
具体的には以下のような違いがあります。
幅 | 奥行 | 高さ |
---|---|---|
800 | 500 | 530 |
800 | 600 | 500 |
900 | 600 | 882 |
1,200 | 1,000 | 900 |
1,200 | 1,000 | 993 |
あくまでも一例にはなりますが、たくさんの種類があるのがわかると思います。
具体的なサイズはメーカーによっても異なるため、詳細は問い合わせて確認してください。
メッシュパレットを選ぶ時は外径だけでなく、網目の大きさや線形も確認するのをおすすめします。
一般的に流通されているメッシュパレットの網目の大きさは「25mm×50mm」「50mm×50mm」「50mm×100mm」です。網目の線形「直径約3〜6mm」が一般的に見られるものです。
また、一般的に使用されるパレットは「小パレット」「中パレット」「大パレット」に分類されます。
取り扱う部品によって、適切なタイプのメッシュパレットを選ぶことが大切です。それぞれのサイズや耐荷重、どのようなシーンに適しているのか、わかりやすく解説していきたいと思います。
分類(1)小パレット
メッシュパレットの小パレットは、小型の部品や少量の資材を保管・輸送することに適しています。800×500×530が小さめのパレットでもあり、種類ごとにパレットを分けて保管したい人にも向いています。耐荷重は20㎏~40㎏程度のものが多くなります。
分類(2)中パレット
メッシュパレットでも中パレットは標準的なサイズと呼ばれているものです。一般的なサイズになるため、段積みをしやすく利便性の高いサイズといえます。中パレットは40㎏~60㎏程度の重量になり、多くの業界で汎用的に使用されているサイズとしても知られています。
分類(3)大パレット
メッシュパレットの大パレットは、大型部品や大量の資材を保管したり輸送することに適しています。大パレットになると、耐荷重は数百キロとなります。サイズの大きなものになると、1トン以上の積載物を載せられる場合もあるため、用途に合わせて選ぶようにしましょう。
メッシュパレットに関するよくある質問(Q&A)
メッシュパレットによくある質問をまとめて紹介します。
Q. | メッシュパレットは何段積みまで可能ですか? |
---|---|
A. | メーカーによっても変わりますが、4段程度まで積み上げ可能です。とはいえあくまでも目安になるため、無理に積み上げるのはおすすめしません。パレットを積み上げ過ぎてしまい死亡事故も発生しています。安全な環境で作業を行う為にも、積み重ねすぎることのないように十分に注意するようにしていきましょう。また、ゲート部分が開きっぱなしになると積載物が崩れてしまう可能性もあるため、事前に確認したうえで作業を行うようにしていきましょう。 |
Q. | メッシュパレットの価格相場は? |
---|---|
A. | メッシュパレットは、新品の場合20,000円前後、中古の場合10,000円前後からあります。メーカーによる違いやサイズ、使用頻度や状態によっても価格相場が変わってきます。費用を抑えたいのであれば中古のメッシュパレットも検討してみてもいいでしょう。 |
メッシュパレットについてより詳しく知りたい人や、一覧を確認したい人はこちらも参考にしてください。
→ メッシュパレット
まとめ
メッシュパレットは、耐久性に優れていること、軽量ながら耐荷重も十分に期待できます。パレットのなかでもさまざまな業界で取り入れられていることからも、汎用性が高いパレットであることがわかると思います。ただし、デリケートなものを運ぶのに適しているパレットとはいえないため、工夫をしておくことも必要になってきます。サイズや網目の大きさによっても使い方が変わってきます。また、メッシュパレットならではの注意点も含め把握したうえで使うようにしましょう。