パレットラックとは?ネステナーとの違いから選び方まで徹底解説!

物流倉庫の荷物の保管や整理などでよく使われているのが「パレットラック」です。

立体的に保管できるため、限られたスペースのなかで効率的に荷物を置けるようになりますし、倉庫作業の効率化も期待できます。パレットラックの導入を検討している人向けに、導入するメリットや活用するときのポイントについても詳しく解説していきます。ネステナーとパレットラックのどちらを導入するか迷っている人も参考にしつつ決めるのをおすすめします。

パレットラックとは?

パレットラックとはパレットに積載した荷物をそのまま収納する棚のことをいいます。スチール素材で耐久性に優れており、耐荷重は500㎏以上と耐久性にも優れているのが特徴です。荷物を効率的に保管しつつ、限られたスペースを有効的に使えるのも特徴です。

例えば、荷物を平置きしていると、上部のスペースに何も置けなくなり無駄になってしまいます。積み重ね方によっては荷崩れしやすくなるなど、安全面で見てもいい状態とはいえません。パレットラックを使えば、収納容量を向上させ作業効率を大幅に高められます。

二段パレット・三段パレットとは

二段パレットとは、2段にして使用できるパレットのことをいいます。
三段パレットは、3段にして使用できるパレットになり、いずれも積み重ねられる分省スペース化を実現してくれます。

オプションのパイプを収納する場所もありますし、紛失のリスクもありません。ちなみにパレットを積み上げる時は、1段目・2段目で同じ向きではない状態で積み上げていきます。これは、同じ方向にしてしまうと荷崩れの原因になってしまうためです。

パレットラックとネステナーの違い

パレットラックと混同されがちな物流機器に「ネステナー」があります。いずれもスチール製になりパレットを積載したり、フォークリフトを使って収納を行うものです。
似たような場面で使うことが多いからこそ、混同してしまっている人も多いのではないでしょうか。
パレットラックとネステナーの違いについて項目ごとに詳しく見ていきましょう。

サイズ

ネステナーは、基本的にパレット1枚を収納する目的で設計されています。また、高さは重ねる台数によっても変わってきますが、最大でも4段程度です。2mの高さを超えるネステナーは、積み重ねの段数が少なくなってしまいますが、1m以下の高さのものは多く積み重ねることができます。

それに対してパレットラックは、荷物の大きさに合わせてサイズを指定でき、サイズもオーダーメイドで変わっていきます。また、基本的にパレット2枚を収納する目的で設計され、ネステナーよりも大きめに作られています。また、2本の柱を使うトラスで調整すると、ラックの高さを任意で設定でき柔軟に調整できる点も、ネステナーとの違いと言えるでしょう。

耐荷重

ネステナーの耐荷重は、1段1,000㎏が基本となります。

ただし、高さや幅の広いネステナーの耐荷重は、500~700㎏と低い基準になります。ネステナーを積み重ねても、1段1000㎏なのは変わらず、段数を積み上げていくことで合計3000㎏までのせることが可能になります。最上部にネストップの取り付けは必須です。

パレットラックは、1000㎏〜3000㎏の耐荷重となり、ネステナーの耐荷重よりも、重いものに対応しています。特に重量のあるものを保管するときは、ネステナーよりもパレットラックのほうが適していることがわかると思います。

組立作業・解体作業の有無

ネステナーは、溶接にて接着しているため組み立ての必要がありません。アンカー固定も行う必要がないため、フォークリフトを使い短時間で設置できるのも特徴です。余計な手間をかけることなく、使わないときは必要に応じてすぐに撤去できますし、レイアウトの変更にも対応しています。

パレットラックは、組み立ての作業が必要になります。電動ドライバーを使ってボルトを締めるなどの作業を行うためやや手間がかかります。床に固定する作業も必要になるため、自分たちで行うのが難しく業者に依頼することも少なくありません。

レイアウト変更の柔軟性

パレットラックは、解体や再組み立ての手間こそかかりますが段を調整できるので高さのあるものも収納できます。しかし、床に固定するために配置を見直す必要も出てきますし、保管物の数量に合わせて増減が必要になることもあります。また、床に穴を開けたくない人もいるため、貸倉庫には向きません。

その点、ネステナーは高さの調整こそできないものの、積み重ねて使用するため増減にも対応しやすい柔軟性を持っています。どのような荷物を収納したいのかによっても変わってきますし、レイアウト変更は行いやすいにこしたことはありません。

収納のしやすさ

ネステナーは使用していないときはコンパクトに折りたたんで収納できます。必要なときには簡単に組み立てができますので、倉庫の端っこに置いておくなどスペースを有効活用できます。パレットラックは、解体や移動を簡単にできないため、収納して保管することができません。基本的には収納がしやすいのはネステナーのほうですが、スペースがどのくらいあるのかによっても変わってきます。

物流現場にパレットラックを導入するメリット

物流現場にパレットラックを導入すると、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

空きがちな上部空間のスペースを有効活用できる

パレットラックを使うと、スペースを有効活用できるようになります。倉庫の上部空間のスペースをもったいないと思っている人もいるのではないでしょうか。複数段にわたって荷物の保管もできるので、より多くの荷物を効率的に収納できるようになります。

作業時間の大幅な短縮にも繋がりますし、荷崩れ防止の効果も期待できます。パレットだけで荷物を重ねると、下の荷物に負荷がかかってしまい危険です。パレットラックを使えば、6mの高さまで荷物の積み上げができます。

荷物の出し入れが容易となり作業・管理業務の効率化を図れる

パレットラックを使うと、荷物の出し入れが簡単になります。荷物に合わせて高さを調整することもできますし、パレットを一度落とす手間もかかりません。のせたまま収納してフォークリフトを使って出し入れすることも可能です。

平置きだと、下のほうにある荷物を取り出すのに、上からずらしていかなくてはいけないため、出し入れの負担が大きくなってしまいます。また、高さの調整も含め、管理面をしっかりと行ってくれる点も効率化に繋がるメリットと言えるでしょう。

重量物の保管の安定性が高く荷崩れの心配がない

パレットラックは重量物でも保管しているときの安定性があり、高さがあっても荷崩れの心配はありません。どんなに積み上げたとしても、バランスが悪く安定していないままでは意味がありません。

重量物を安全を重視して保管できるため、大切な荷物を守ることにも繋がります。あらかじめレイアウトを考えておくことで作業効率や収納効率を高められるようになります。

パレットラックを活用するときのポイント

パレットラックを活用するうえで、覚えておきたい3つの活用ポイントについて見ていきましょう。

作業効率の良いレイアウトを考える

パレットラックを使うときは、作業効率も意識したレイアウトを考え必要な作業やスペース、共有するべき作業なども明確にしていきます。例えば、入荷から検品、棚入れや保管、ピッキングや出荷検品、出荷までの流れをスムーズにできるように、導線を近付けるようにしていきます。

混在することのないように、管理がシンプルにできるようなレイアウトを考えるようにしていきましょう。レイアウトにもI字型やU字型などの種類があるため、どちらが向いているのか考えるようにしてください。

十分な通路幅を確保する

倉庫内の通路は十分な広さを取れるようにしておきます。フォークリフトを使って運搬するため、通路が狭いと作業がうまくできなくなってしまいます。フォークリフトが通れるギリギリの広さになってしまうと、方向転換もうまくできずに困ってしまうことも考えられます。

また、パレットラックの必要な枚数を出して置き、無駄を削減しつつ適切なレイアウトを実現できるようにしていきましょう。

出庫頻度に応じて商品をグループ分けする

倉庫内の作業を効率的に行う為にも、出庫頻度が多いものと少ないものを明確にグループ分けしておくのをおすすめします。出庫頻度が多いものは、出入り口側に置いてあるほうが、導線もスムーズになり作業が進みやすくなります。

できる限り距離を近くしてピッキングにかける時間を削減していきましょう。ほとんどでない商品の場合は、倉庫の奥にあっても困りません。出庫頻度を調べて、商品の位置を決める時の基準にするのをおすすめします。

パレットラックとネステナーはどちらが良い?

パレットラックかネステナーのどちらがいいのか迷っている人もいると思います。
どちらが良いのかは、下記のポイントを踏まえて検討するのをおすすめします。
具体的にどのようなポイントがあるのか見ていきましょう。

ポイント(1)季節による繁閑の差

季節によって繁閑の差が大きいのであれば、パレットラックを使うのをおすすめします。出庫量が多い時期と少ない時期では、倉庫内の保管スペースの範囲も変わってきます。普段、商品を保管するのはパレットラックを使って対応してもいいと思います。

繁忙期など一時的に必要になる部分は、組み立ても自由にできるネステナーを使うなど、用途に合わせて洗濯するのをおすすめします。閑散期になったときは、ネステナーを折りたたんで保管しておけば、倉庫のなかでスペースをとってしまうこともありません。

空いたスペースを他の用途に積極的に活用できるようになります。

ポイント(2)コスト(価格)差

パレットラックの仕様によっても大きく変わってきますが、2段・3段にして保管した場合45,000円前後の費用がかかることになります。ネステナーは、新品でも17,000円~とパレットラックよりも安い価格帯で利用できることがわかると思います。

パレットラックはオプションを追加することになるため、高額になりやすく、低コストで利用したい人には向きません。パレットラックでも、コストを抑えたいと思っているのであれば中古品の購入やレンタルも検討してみてもいいと思います。比較的コストを抑えて購入できるようになるのでおすすめです。

ポイント(3)導入スピード

パレットラックは、基本的には完全受注品(オーダーメイド)で作ります。注文しても納品までに1か月以上の時間がかかることも少なくありません。ネステナーは注文後の納品が早くすぐにほしい人にとっては軍配があがります。ただし、中古品の購入であればパレットラックもネステナーもそこまで変わりません。あくまでも新品のときの料金差だと思っていたほうがいいと思います。

まとめ

パレットラックは、スペースの有効活用ができ荷崩れの心配がないこと、荷物の出し入れの利便性などたくさんのメリットがあります。ただし、導入までに時間がかかってしまったり費用面でコストの負担が大きくなるなどの注意点もあります。

パレットラックとネステナーのどちらにするのかは、倉庫の大きさや荷物の量や、季節ごとの増減による違いもあります。何を重視して選ぶのかによっても変わってくるため、レイアウトや解体の有無などトータル的に考えるようにしていきましょう。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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