物流業界に携わる仕事をしている人の中には、耐久性があり丈夫なスチールパレットの導入を検討している人もいるのではないでしょうか。衛生的に使用でき、火災のリスクも少なくリサイクル向きなどさまざまなメリットがあるパレットでもあります。その反面、スチールパレットにはデメリットもあり、扱い方に注意しなくてはいけない点もあります。スチールパレットを導入する前に、メリット・デメリットを把握するのはもちろん、他にもどのようなパレットの素材があるのか詳しく見ていきましょう。
スチールパレットとは?

スチールパレットは、鉄製で素材に金属を使用した物流パレットのことをいいます。処分するときにスクラップにて処理ができるのも特徴になり、再利用ができ環境にも優しい素材として知られています。決められた型がなく、要望に合わせてオーダーメイドにてパレットを作成できる魅力もあり、メッキ加工をしてさびにくくなるなど工夫次第でさまざまな使い方ができます。
スチールパレットが主に使われているのは、建築業界や食品業界、化学業界や輸出など幅広い業界にて使われているパレットです。頑丈な素材でもあり耐久性があり、まげやねじりなどの動きにも耐久性を発揮してくれます。長く使用できる物流パレットを探している人にとってもおすすめです。
スチールパレットのメリット
スチールパレットはには多くのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
耐久性に優れている
スチールパレットは他の素材のパレットと比較しても丈夫で耐久性に優れています。そのため、長く使えるパレットを探している人や、重量感のある荷物を運搬したいときに適しているパレットとも言えます。スチールパレットのなかには、1トン以上の耐荷重にも対応できるようなものも少なくありません。今まで別のパレットを使用していて割れてしまい困った経験のある人にとっても、スチールパレットは耐久性に優れたパレットとして多くのメリットが期待できます。
衛生的に使える
スチールパレットは洗浄ができる素材になるため衛生的に保つことができ、細菌や害虫の繁殖を防ぐことにも繋がります。屋外保管をしていてもカビが発生してしまうことも少なく、安心して使えます。衛生的に使用できる特徴からも、取り扱いに注意が必要な食品関係や医薬品業界などで使用されることも多くメンテナンスが行いやすい点も大きなメリットと言えます。そのまま丸洗いしても、パレットが傷んでしまう心配もなく長く使用できます。
サイズ設計の自由度が高い
スチールパレットは、樹脂のような金型を必要としません。樹脂パレットになると、決められたサイズ以外はすぐには準備ができず、型から用意しなくてはいけないなど大きな負担になってしまうことも少なくありません。スチールパレットは、自由にサイズ設計ができるなど、オーダーメイドしやすい点も特徴です。そのため、特殊な荷物を運搬するときにも、最適なパレットサイズのものを用意できるようになります。サイズ選びで困ったことがある人にとっても大きなメリットと言えます。
火災リスクが少ない
スチールパレットは、耐火性にも優れているため火災リスクを少なくしてくれるメリットも期待できます。使用されている素材が「不燃材」になるため、屋外での保管にも適しているパレットと言えます。その点、安価でよく使用されている木製パレットは素材が燃えやすくなってしまうため、安全性に疑問点も出てきてしまいます。また、使用していて途中で避けてしまう、割れてしまうこともなく取り扱いを安全にできる点も、スチールパレットのメリットと言えるでしょう。
リサイクルができる
スチールパレットはリサイクル性に優れているというメリットもあります。もともと、壊れにくい素材になるため長期的に使用でき、ゴミを処分する必要がなくなるため環境の負荷を低減させることにもなります。また、木製パレットや樹脂製になると産業廃棄物に分類されてしまうため、処分に費用がかかってしまうことも少なくありません。スチールパレットは有価売却が基本となるため、処分の負担も大きく減らせるメリットが期待できるでしょう。
輸出用パレットとしても活用できる
スチールパレットは輸出用のパレットとしても活用できます。木製パレットのような熱処理が必要なく燻製処理の負担を減らすことにも繋がります。その分コストを削減できるため、長期的に見ても使いやすいパレットと言えます。製品を輸出する機会が多い企業にとっても、国内・輸出のどちらでも使えるため、使用用途を選びにくいパレットと言えます。
スチールパレットのデメリット
スチールパレットには多くのメリットがある一方で、デメリットも少なくありません。
具体的にどのようなデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
破損時の修復が難しい
スチールパレットのデメリットとして、一度破損してしまうと修復が難しいという問題があります。素材となっている鉄の性質上、一度へこんでしまうと破損を簡単に直せなくなってしまい使えなくなってしまいます。比較的頑丈なパレットではありますが、パレット自体に重量があるため、へこみやすいともいえます。破損時も考えたうえで使うようにしてください。
腐食や錆の発生リスクがある
素材のスチールは水や空気に触れると、酸化してしまうデメリットがあります。赤サビの状態になると見た目にもよくありませんし、衛生的な問題も出てきてしまいます。ただし、スチールパレットはまるごと洗浄ができるため、錆びに対しては落とせる場合もあります。衛生的に使える点を考えると、使いやすいパレットと言えるでしょう。
比較的重量がある
スチールパレットは、他のパレットと比較しても重量感があります。そのため、フォークリフトでの運搬が基本となり手作業で移動させるのは困難です。荷役にとっての負担も大きくなってしまうなど、扱い方が大変だと感じることも少なくありません。しかし、近年では軽量化されたスチールパレットも多く販売されているため用途に合わせてスチールパレットを選ぶようにしましょう。
比較的価格が高い
スチールパレットは丈夫で頑丈なのもあり、樹脂パレットや段ボールと比較すると1枚あたりの単価が高くなってしまいます。パレットにどの程度予算をかけられるのかによっても変わりますが、枚数が必要な場合はやや負担に感じてしまうことも少なくありません。比較的価格が高い点を考えると、予算にみあったパレットかどうかも含め検討する必要があります。
作業環境によっては騒音の懸念がある
スチールパレットのデメリットとして、作業環境によって騒音のリスクが出てきてしまう心配もあります。特に荷物の積み下ろしや移動の際に金属同士が触れ合うことによって金属音が発生します。作業を行うのが住宅地に隣接している倉庫や夜間作業では、騒音によるトラブルに繋がる可能性がある点にも注意しつつ作業を行うようにしましょう。
日本におけるスチールパレットの主要メーカー4社

日本にはスチールパレットを製造・販売しているメーカーが多くあります。
そのなかでも主要メーカーや代表製品について紹介します。
石井産業株式会社
石井産業株式会社は、機械化による高品質・高精度を実現している会社です。部分的なカットや溶接までの機械化を行うことで要望の寸法に対応できるようにしつつ、希望の耐荷重をクリアしたパレットの製造を行っています。少ロットからの購入もできるように、金型費用なしで多品種少量生産を実現しています。逆に大量生産もできるなど、用途に合わせて選ぶこともできます。全国に4箇所の生産拠点があり、軽量パレットも用意しているからこそ、柔軟に対応してくれるのも特徴です。
株式会社三共
株式会社三共は、スチールパレットを始めとしたさまざまなパレットの販売を行っている会社です。各種部材より自社製造を行っているスチールパレットは、ニーズに合わせて柔軟に対応してくれます。例えば、スライド固定金具は簡単に積載物を固定して、安全確実な輸送が実現できます。開梱作業がスピーディーに行えるようになり、作業効率を大幅に高めてくれます。オリジナルの断面形状によって高強度な仕様になっているなど、サイズフリーで多様なパレットに対応しています。
株式会社ダイパレ
株式会社ダイパレは、スチールパレットの特注を受け付けており現場にとって最適な設計を実現している会社です。物流や保管の分野で欠かせない存在として、耐荷重やサイズに適した製品を用意します。特注を受け付ける場合は、現場で必要となる条件を整理したうえで相談しつつ決めていきます。荷物や保管スペースとの相性も含め既製品では対応しきれないときでも、現場の状況に合わせたパレットを提案しています。
株式会社シンニッタン
株式会社シンニッタンは、輸送コストを低減させ環境社会に貢献している会社です。スチールパレットも種類豊富に展開しており、積載重量物の安全な段積みや、輸送重鎮率・輸送効率の向上に繋げていきます。トラックやコンテナに合わせて規格としていきます。車両削減によるドライバーの人材不足を解消するなど多方面でのサポートを行っています。
物流パレットのその他の素材・種類

物流パレットには、スチールパレットのほかにもさまざまな素材のものが存在します。
そのなかでも多くの業界で活用されている代表的な種類について紹介したいと思います。
木製パレット
木製パレットは木を素材として作られているパレットになり、一般的に使用されているものです。使用後はリサイクル対応ができるため、環境に配慮したい企業からも高く評価されています。比較的安価で導入しやすく、生産にかかるコストも低くなります。サイズオーダーもしやすく自由に決められるのも特徴です。軽量で確かな耐久性があるため、場所を問わずに使いやすいパレットとしても知られています。湿度が高い場所や屋外などでも使用できるパレットになります。
(内部リンク:木製パレット)
プラスチックパレット
プラスチックパレットは、プラスチック製のパレットで、樹脂パレットと呼ばれているものです。素材として使われているのはポリエチレンやポリプロピレンなどになり、再生資源の一つです。軽量で扱いやすく耐久性にも優れており、汚れてしまったときの洗浄も簡単にできます。
また、荷物を多く載せてもスリップしにくいなどの優れた性能を持ち合わせているなど、プラスチックパレットならではのメリットもたくさんあります。強度があり破損しにくく長期的に使用できます。またプラスチックパレットは、厳しい品質管理によって製造されているため品質が均一です。
(内部リンク:パレット・プラスチックパレット(中古/新品))
紙製パレット(段ボールパレット)
紙製パレット(段ボールパレット)は、段ボール製のパレットのことをいいます。素材は強化段ボールで作られており、軽量で扱いやすくリサイクルにも対応しています。環境問題に適したパレットとしても評価されているため、輸出時のワンウェイパレットとしても使われています。ただし、もともとは紙でできていることもあり、湿気や水に弱いため使う場所を選びます。また、紙製パレット(段ボールパレット)は特殊構造にしているものもあるため、段ボールならではの弱さを解消しているものも多くあります。
(内部リンク:段ボールパレット)
まとめ
スチールパレットは、物流にとって運搬・保管に欠かせないアイテムです。強度や耐久性に優れており、重量感のある荷物を輸送するときにも最適です。割れてしまうこともなく丸洗いできるので衛生的に使用することも可能です。ただし、スチールパレットはやや高めに設定されているためコスト的な面で悩むこともあると思います。スチールパレットの中古やレンタルはROUTE88にご相談ください。