プラスチックパレットとは?特徴・メリット・デメリットを解説!

物流や製造業で働いており、プラスチックパレットについてもっと詳しく知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。さまざまな種類のなかでもプラスチックパレットといえば、使い勝手が良く汎用的に使用されているものでもあります。そもそもプラスチックパレットとは何か?種類やメリット・デメリットについても詳しく説明していきます。プラスチックパレットを安く手に入れたいと考えている人向けに購入方法についても解説しますので参考にしてみてください。

プラスチックパレットとは?

プラスチックパレットは、その名の通りプラスチック素材で作られた荷台のことをいいます。「プラパレ」や「樹脂パレット」と呼ばれることもあります。軽量で耐久性に優れ、長期間利用できる特徴を持ち合わせています。軽量なので運送コストを抑えたい企業からも重宝されています。

また、プラスチック素材になるため、腐食や害虫被害の心配もなく、外部に置いたままで使う事の多いパレットにも向いています。汚れてしまったときは水や洗剤を使って簡単にメンテナンスができます。フォークリフトやハンドリフトを使って運ぶことを前提に作られていることもあり、作業効率を高めやすいパレットと言えるでしょう。成形加工を使って、多様な形状にカスタマイズすることも可能です。

樹脂パレットとの違いは?

樹脂パレットは一般家庭より排出されたプラスチックを使い作られた、環境にも配慮しているパレットです。すべての項目においてJIS規格に該当しており、選別された良質なプラスチックを使っています。

プラスチックパレットのサイズ規格

プラスチックパレットは物流でよく使われているため、サイズ規格にも種類があります。日本工業規格(JIS規格)では、1,100mm×1,100mm×144mmで「T11型」のパレットを標準サイズとしています。
日本で見かけるパレットもほとんどがT11型のものになり、全生産数のうち32%を占めています。規格サイズのなかでは60%以上がこのT11型を使用していることもわかっています。他にも、900mm×900mmや1,200mm×1,000mmや1300mm×1,100mmなどの種類もあるため用途に合わせて使い分けるようになります。日本では、国土交通省によりJIS規格を標準化するための取り組みを進めています。

海外では、日本とは違うパレットサイズの規格が存在しています。例えば、アジアでは、アジアパレットプールシステム(APSF)という組織があり、アジア全体のパレットの普及を推進しています。国によってパレットサイズの規格が変わることも覚えておきましょう。

プラスチックパレットの耐荷重

プラスチックパレットの耐荷重は、製品の仕様や構造によっても細かく変わってきます。基本的には木製パレットよりも大きい仕様でできています。一般的なサイズのプラスチックパレットは1,000㎏程度だといわれていますが、素材やサイズによっても変わってきます。

ちなみに、プラスチックパレットの耐荷重を考えるうえで「静荷重」と「動荷重」があり、それぞれ上限が変わってくるため注意しましょう。
静荷重は一定の重さであり時間が経過しても変わらない重さのことをいいます。

動荷重は、移動しているときなど物体にかかる荷重が一定ではなく変わった場合のことをいいます。プラスチックパレットの静荷重の範囲は1,000〜4,000kg程度、動荷重は300kg〜3,000kgと少し少なくなります。在庫として倉庫に置くために使用するプラスチックパレットなのか、荷物を移動させるときに使用するプラスチックパレットなのかによって、選び方も変わってきます。

プラスチックパレットの種類

プラスチックパレットにも、さまざまな種類があります。物流や製造業界でプラスチックパレットを取り入れる前にまずはどんな種類があるのか詳しく見ていきましょう。

片面使用パレット

片面使用パレットは、表面と裏面の形状が異なるパレットのことをいいます。使用する目的によっても異なり、荷物の保管や、作業用、輸送などの幅広い分野で活躍しています。表面の部分は荷物を積載しやすいように平らな形状になっていますが、裏面はすき間があるため、密度が低く軽量化に繋がります。軽いからこそ運送コストを下げることにも繋がり、コストを意識している企業にもおすすめです。すき間があるからこそ、ハンドリフトを使って荷役作業を行うことも可能です。

両面使用パレット

両面使用パレットは表面と裏面のどちらを使用しても、変わりなく使用出来るもののことをいいます。強度や形状も一律なので使い勝手もよくさまざまな場所で使われています。表面だけでなく裏面も平らな形状をしているため、段積みしやすいのも特徴です。そのためフォークリフトを使って移動したいときにも便利に使えますし、ハンドパレットトラックや自動倉庫で使うプラスチックパレットを探している人にも向いています。輸送や段積み、荷物の保管などのさまざまな場所で使われています。

二方差しパレット

二方差しパレットは、パレットの差込口が左右の2カ所にあるタイプです。プラスチックパレットもありますが、木製パレットで使われることの多い形状になり、フォークリフトのツメを2方向からいれることができます。積み方次第ではパレットの向きに合わせてフォークリフトを移動させなくてはいけないので、やや使いにくさを感じることもあります。フォークリフトの移動を基本として考えている企業向けのパレットと言えるでしょう。

四方差しパレット

四方差しパレットはパレットの差込口が4方向についているタイプです。どの方向からもフォークリフトのツメを差し込める仕様になっているため、運搬効率の良さでも知られています。フォークリフトの方向を変えずに使えるので誰でも使いやすく、ハンドリフトを使い段積みをしない人にもおすすめです。比較的軽量なものが多いので、人の手を使って運びやすい特徴も持ち合わせています。置く場所を選ばないのもあり、さまざまな場所で活躍してくれます。

プラスチックパレットの構造によっては、「一体成型パレット」や「溶着型パレット」「フラット型パレット」のような違いもあります。強度面やコスト面での違いもあるため、目的にあったものを選びましょう。

プラスチックパレットのメリット

プラスチックパレットには多くのメリットがあります。
具体的にどんなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

軽量で持ち運びがしやすい

プラスチックパレットの種類によっても多少の違いはありますが、軽量な素材で作られているため取り扱いやすいメリットがあります。フォークリフトだけでなく手を使って移動することも可能なので、その時によって使い分けができるようになります。作業効率も高まりますし、荷物の積み下ろしや移動にも適しています。また、軽量だからこそ運送コストを抑えられるので、長期的に見てもコスト削減に繋がります。誰でも持ち運びがしやすく労務環境の見直しにも繋がります。

腐食に強く虫やカビの発生を防げる

プラスチックパレットは、湿気にも強く傷にも強く腐食しにくい特徴を持っています。虫やカビの発生を防ぐため、長期間の使用にも向いています。水洗いが出来る分、衛生面でも優れているため、食品のような業界でもよく使われています。洗剤を使って洗うこともできるので、衛生的に安心して使える点もプラスチックパレットの特徴と言えるでしょう。

安全性が高く積載物を傷めない

プラスチックパレットは安全性の高さでも知られています。突起部分もなく釘を使用していないため、積載物を傷つける心配もありません。また作業員のケガを防ぐことにも繋がるため、安全に効率を重視しつつ作業をしたいと考えている人にもおすすめです。滑りにくい表面仕上げをしてあるプラスチックパレットが多いため、事故のリスクを最小限に抑える効果も期待できます。

耐久性が高くトータルコストを抑えられる

プラスチックパレットは耐久性にも優れており、トータルコストを抑えたい人にも向いています。特に、木製パレットと比較すると使い勝手の良さには大きな違いがあり、壊れにくいので何度も買い替える必要がありません。確かな強度もあるため、繰り返し使うこともでき使用頻度の多いケースにこそ向いています。コスト面の見直しをしたいと考えている企業にもおすすめです。

品質が高い・個体差がない

プラスチックパレットは品質が一定で個体差がないのもメリットです。厳しい品質管理のもとで作られているため、パレットによるムラもなく安心して使用できます。寸法の違いもありませんし、品質の高さにも定評があります。それでいて10年以上は使用できる特徴も持ち合わせており、長期的な視点で考えても使い勝手の良いパレットと言えるでしょう。

リサイクル可能で環境に優しい

プラスチックパレットは、リサイクルが可能です。そのため使わなくなったパレットを再生できることもあり環境に優しく無駄がありません。プラスチックパレットのなかには、植物由来のプラスチックを使用したものもあり、CO2排出削減に貢献しているものもあります。環境にいいプラスチックパレットを使いたいと考えている人にとっても優しく安心できる点もメリットと言えるでしょう。

プラスチックパレットのデメリット

プラスチックパレットには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
具体的にどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

破損すると補強・修繕ができない

プラスチックパレットは、耐久性に優れていますが破損してしまった場合に補強・修繕ができません。

そのため、修理をして使えるものではないので新しいものを購入するようになります。リサイクルができる分環境には優しいのですが、補強や修理ができず柔軟性の高いパレットとは言えない点はデメリットと言えるでしょう。

オーダーメイドの場合は非常に高価となる

プラスチックパレットはサイズ規格のものであれば、そこまで高価なものではありません。ただし、オーダーメイドのサイズを希望して新しく作る場合は、高額な費用がかかってしまう可能性があります。あくまでも決まったサイズのなかで使えるかどうかによっても変わってきます。

一部タイプは熱や化学物質への耐性がない

プラスチックパレットは、一部のタイプで熱や化学物質に対して耐性がありません。そのため、積載物を選ばなくてはいけなくなってしまいます。さまざまな荷物を運ぶ場合は、やや不向きさを感じる部分もあるかもしれません。

プラスチックパレットの購入方法

プラスチックパレットの購入方法には主に3つの方法があります。
「メーカー購入」「販売代理店購入」「通販サイト購入」のなかで選ぶようにしていきましょう。

●メーカーから購入

メーカーから購入する場合は、柔軟なカスタマイズに対応しています。一方で最低注文数を設定しているケースも少なくありません。規模が大きくまとめてプラスチックパレットを購入する場合は使いやすいのですが、小規模事業者にとってはコストが増えてしまい不向きな場合もあります。

●販売代理店から購入

あらゆるメーカーのプラスチックパレットを扱っているため、比較しながら選べる特徴もあります。その一方で、中間マージンが発生しやすくなり、メーカー購入よりも高くなってしまう可能性が出てきます。また、販売代理店によって限られた業者しか取引できない可能性がある点も注意しておきましょう。

●通販サイトから購入

小規模事業者に適しているのは通販サイトからの購入です。最低注文数を決めていない通販サイトも多く、規模を問わず、必要な分だけを自由に注文することも可能です。プラスチックパレット一つ分の単価は高くなってしまいますが、トータルコストを見ると抑えられるのも特徴です。

ROUTE88はプラスチックパレットの新品や中古のいずれも取り扱っています。
プラスチックパレットの一覧はこちらからも確認できます。

プラスチックパレット

プラスチックパレットの値段・価格の相場は?

プラスチックパレットは、一般的に4,000円以上の値段がするものがほとんどです。有名なメーカーになると、20,000円前後のパレットも出てくるなど差が出てきます。一言にプラスチックパレットでも、厚みや耐荷重によって値段や価格の相場が変わってきます。

プラスチックパレットの中古は問題ない?

中古のプラスチックパレットは、状態によっても変わりますが一般的には10年~20年は使用出来るといわれています。そのため、中古であっても比較的新しいものや状態のいいものであれば問題ありません。信頼して購入できる業者を選ぶようにしましょう。

まとめ

プラスチックパレットは、耐久性に優れ腐食しにくく長期的に見てもコスパに優れています。規程のサイズ以外になるとやや高くなってしまうこともありますが、使い勝手もよくトータル的に見ても優れたパレットであることがわかると思います。品質も一律で差がなく安心して使用できます。どこで購入するのかによって変わってくるため、パレットをまとめて購入したいのか、単品で購入したいのかによっても、自社に適した方法を選ぶようにしていきましょう。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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