物流パレットとは?種類・形状・サイズ・利用目的・注意点を解説!

物流業界に欠かせないパレットには、さまざまな種類があるからこそ何を基準に選べばいいのか迷っている人もいるのではないでしょうか。自社に必要な物流パレットを選ぶ必要がありますし、コスト面も含め総合的に判断しなくてはいけません。

物流パレットには具体的にどのような種類があるのか、形状や利用する際の注意点について詳しく紹介します。物流パレット選びについて迷っている人は参考にしつつ、選ぶようにしてみてください。

物流パレットとは?

物流パレットとは、荷物を乗せるための「荷役台」のことをいいます。荷物を置くための面を持っている台としても知られており、フォークリフトなどの荷役機器を使い輸送や保管を可能としています。両サイドに差し込み口がついており、フォークリフトのツメを使って輸送させます。

手作業では難しい大量の荷物を一度に運べることもあり、トラックの荷役や工場・倉庫での作業に使用されています。また、集約化を進めるためにマテハン機器(マテリアルハンドリング機器の更新の時期をとらえ、輸送に適したパレットに調整していくことも必要です。

物流パレットの価格相場は?安く購入するには?

物流パレットの価格相場は、種類によっても変わってきます。

  • 木製パレット 2,000円~3,000円
  • 紙製パレット 3,000円~5,000円
  • プラスチック製パレット 4,000円~21,000円
  • アルミ製パレット 30,000円~
  • スチール製パレット 10,000円~

など素材によっても価格に違いがでてきます。

中古の物流パレットを活用

物流パレットは新品のものよりも中古のほうが安いため、上手に活用するのをおすすめします。中古とはいえ、十分な品質や機能性を提供してくれるものがほとんどです。中古のパレットは予算を抑えながら物流パレットを入手したい人に向いています。ただし、中古品はそれぞれに品質や状態に違いがあるため注意して選ぶようにしましょう。欠けている部分や歪みがどの程度か確認するようにしてください。

物流パレットの4つの種類(材質)

物流パレットには素材・材質の異なる4つの種類があります。
それぞれ種類の特徴やどんな業界・場面に使われているのか紹介していきます。

木製パレット

世界的にもよく使われているのが木製パレットです。細長い木材を組み合わせたものになり、コストを抑えつつ、確かな強度や耐久性に優れたパレットとしても知られています。木製パレットは自由に制作できるのもあり、荷物の状態に合わせて生産することも可能です。荷物が滑りにくく使いやすいパレットですが、虫食いや木のささくれによって貨物を傷つけてしまうこともあり、食品の輸送には使いません。木製パレットは、物流業界で昔から使われているものであり、定期的なメンテナンスが必要になります。

プラスチック製パレット

プラスチック製パレットは、樹脂パレットとも呼ばれているもので輸送や運搬の際に荷物を載せるものです。フォークリフトやハンドリフトを使って運ぶのを前提としており、作業効率を上げるための機器です。比較的軽量で使えるものが多く腐食に強くカビや虫の発生を防ぎます。耐久性にも優れているため、長期的に使用でき、トータルコストを抑えることにも繋がります。棘やささくれの心配もないため、荷物を上に載せて輸送する、保管するのにも向いています。

金製パレット

金製パレットは、アルミパレット・スチールパレットの2種類に分類されています。スチール製の亜鉛メッキ処理を行ったものがほとんどになるため、錆びにくく使いやすいのも特徴です。曲げやねじれに強いのはもちろん、変形の心配もありません。防カビや防虫が必要な飲食業界や、衛生的な管理を必須とする医療業界でも多く使われています。輸送や運搬に使うものもありますが、どちらかというと保管に適した作りで使われているパレットと言えるでしょう。

紙製パレット(段ボールパレット)

紙製パレットは、他のパレットと比較してもとにかく軽量で持ち運びがしやすいという特徴があります。紙製といっても、高強度で低価格なので用途を選ばずに使えます。1人で楽に持ち運びもできますし、作業効率を高めることにも繋がります。木材のように棘が刺さることもありません。特に荷物を航空輸送するときに運賃にかかるコストを下げて物流コストを削減することになります。また、紙製パレットはリサイクルが出来るのもあり、サイズの選択肢も豊富です。

物流パレットの8つの形状

物流パレットと一口にいっても、形状にはさまざまなものがあります。
物流パレット形状や特徴、実際にどんな業界や場面で使われているのか説明します。

平パレット

平パレットは、上部構造物がついていないシンプルな構造をしています。フォークリフトを使って移動できるように差し込み口がついているパレットでもあります。単位ごとにまとめた荷物を輸送するときに使われており、輸送や保管などで使われています。平パレットは形状をあらわすものになるため、素材にもいろいろな種類があります。木製やプラスチック製のもの、金属製のパレットもあります。また、最も軽量タイプの紙製パレットもなるなど、用途に合わせて選択できるのも特徴といえるでしょう。

ボックスパレット

ボックスパレットは、3面もしくは4面の側板を装着している立体的なパレットのことをいいます。ケースのような形状になっているため、単体で積み上げる事が難しい荷物を運ぶときに役立ちます。例えば、農産物を産地から加工工場に運ぶ野菜のように、積み上げられず安定しないものを運ぶときにも使えます。蓋つきのものもありますし、取り外し式や固定式、折り畳み式などの種類もあります。他にも金属線や金属片を輸送するときにも使われています。

ロールボックスパレット

ロールボックスパレットは、車輪つきのパレットです。名前からもわかるようにボックスタイプになっており「カゴ台車」と呼ばれることもあります。スーパーや小売店に食材を納品するときや、配送センターから納品するときに使われているパレットです。フォークリフトを使わずに荷物をいれて移動できるような仕様になっています。店舗で在庫を保管する用に使われることもあるなど、多様な使い方ができるのも特徴のパレットといえるでしょう。

メッシュパレット

メッシュパレットは、メッシュ状の板を立体的に組み合わせて作られたパレットです。収納力にも優れており実用性が高く幅広い場所にて使われています。メッシュ素材で作られているため、軽量で移動しやすく、中に何を保管しているのか一目見て確認しやすい仕様でできています。フォークリフトを使って移動させることもできる点はメッシュパレットの特徴といえるでしょう。物流の倉庫内作業を効率的に移動させるときにも多く使われています。

ポストパレット

ポストパレットは、支柱を持っているパレットです。荷物を直接積載できるんもあり、トラックに輸送するときにも便利に使いこなせます。ポストパレットに似ているものにはネステナーがありますが、あくまでも倉庫で商品を保管するときに使われているため用途の違いがあります。ポストパレットは布製の大きなロールを移動させたいときやフィルムの輸送にも使えるパレットです。次世代型のポストパレットとして、支柱の高さを調整できるものも出ています。

シートパレット

シートパレットは、紙・段ボールもしくは樹脂製の薄いシートを使ったパレットのことをいいます。フォークリフトにプッシュプルというアタッチメントを装着することで輸送や運搬がしやすくなります。他のパレットよりも低コストで購入しやすいので、数をまとめて購入したい人にも向いています。食料品の輸送や、医薬品、家電製品の輸送にも使われるなど、さまざまな場所で見かけるパレットといえるでしょう。幅広い用途で使えるパレットを探している人にもおすすめです。

サイロパレット

サイロパレットは、穀物用サイロのような形状をしています。ボックス型のパレットになり穀物など粉や粒状のものを輸送・運搬するときに使われています。密閉状態にもなっており、側面と蓋がついていて、下にも開閉装置がついているのが特徴です。上から充填させて使用させ、下部の部分から排出することにも繋がります。サイロパレットは、他のパレットとは少し異なる形状をしているのも特徴です。

タンクパレット

タンクパレットは、上部もしくは下部に出し入れするための口がついているパレットです。主に液体を運ぶ時用のパレットになるため、周囲を金属製のゲージにて囲まれています。タンクパレットを使って、工業危険物薬液である化学薬品などの輸送に使われています。省スペースで使いやすく十分な量が入るタンクパレットもあります。また積載荷重にも優れているので積み上げて輸送することもできさまざまな使い方ができるからこそ便利なパレットといえるでしょう。

物流パレットの主なサイズ・寸法|パレットの標準化について

物流用のパレットのサイズや規格は、国によってもさまざまな種類があります。
日本で使用されている物流パレットは「JIS規格」に基づいた標準サイズです。他にも、日本で見られるのは1,300×1,100や1,400×1,100、1,200×1,000、1,100×1,100などのサイズが多く見られるようになり、ある程度は統一されています。使われる用途や貨物の特徴によって使用されるサイズが変わります。

海外で使われている物流パレットは、流通している地域によって変わってきます。例えば、ヨーロッパでは1,200×800や1,200×1,000のサイズの物流パレットが流通しています。

日本でもJIS規格における標準のパレットサイズが存在しており、最もよく見かけるのが1,100×1,100の型が大半を占めています。現在はいろいろなパレットサイズや規格が存在しているため、国土交通省によって標準化するための取り組みが行われています。

他にも、アジア圏では1,100×1,100のサイズやアジアパレットプールシステム連盟によって標準規格が決められています。アジア全体で標準規格のパレットが普及することを推進するための取り組みが進んでいます。日本のみならず世界中で物流用のパレットや規格による統一化が進んでいます。

物流パレットのサイズについて、下記の記事でも詳しく解説しています。

物流パレットのサイズ規格|国別の規格・業界別の主な寸法一覧も紹介

物流パレットの利用目的

物流パレットを利用することでどんな目的が期待できるのかについて、詳しく説明します。
効率的な作業を実現するためにも、物流パレットは欠かせません。

物流パレットを利用するメリットには以下のようなものがあります。

  • 荷役作業の効率化
  • 荷物の破損リスクの低減
  • 作業負荷の軽減

などの利用目的が期待できます。

物流パレットを使うことでトラックへの積み込みや荷下ろし作業を効率化することにも繋がります。すべてを手作業にしてしまうと、数時間かかるような業務であってもパレットを使い、フォークリフトと組み合わせることで大きく時間を短縮することも期待できるでしょう。

他にも、荷役時間の短縮をすることによって、時間外労働の規制への対策としても効果的です。作業負荷を減らすことによって、ドライバーの労働時間を短くしつつリスクを減らせるようになります。人手不足の業界だからこそ、少しでも負担を減らし人材を確保したいと考えているのではないでしょうか。

他にも、運ぶ荷物に触れる機会が少なくなるため破損リスクを減らすことにもなります。どこで貨物事故が起きているのか把握するのが難しいからこそ、少しでもリスクを低減できるようにしておきましょう。

物流パレットを利用する際の注意点

最後に、物流パレットを使用するうえでの注意点について紹介していきたいと思います。
具体的には物流パレットを使用するうえで以下のような点に気を付けなくてはいけません。

作業体制の構築が必要となる

物流パレットは、パレットごとに輸送するためフォークリフトを必要とします。安全面を考えたときに作業場所に慣れていないドライバーに作業を委託するよりも、日頃から使い慣れている人が作業を行うべきです。作業体制の構築が必要になるため、人員を確保できるかどうかも含め考えるようにしましょう。

輸送時の積載率が低下する可能性がある

パレット輸送は、その分トラックのなかで場所をとってしまいます。積み方次第では、本来の荷物の輸送が出来なくなってしまうなど、積載率の低下の原因となってしまうこともあります。バラ積みのほうがパレットよりも多く運べる場合もあります。

パレットの運用・管理コストが発生する

パレットを回収し管理するためのコストがかかってしまいます。荷物の輸送を行ったトラックがパレット回収を行うのが一般的ですが、追加費用がかかってしまうこともあります。輸送費のコストがかかってしまうこともあるため、物流パレットを使ううえで把握しておくべき点といえるでしょう。

ROUTE88

パレットパターン(荷物の積み方)7種類

パレットパターンとは、荷物の重量や形状を考慮しつつ適切なパレットパターンで荷物を積み込むことをいいます。積載効率の向上にも繋がりますし、荷崩れ防止の効果も期待できます。パレットパターンの主な7つの種類について、積み方やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

ブロック積み

ブロック積みは、荷物を同じ方向に並べる積み上げ方をいいます。シンプルな方法になるため、積み上げた荷物をまとめて取り出したいときにも使いやすい方法と言えます。荷物が多いときは、ブロック積みのほうが管理もしやすく使いこなしやすくなるので向いています。段ボールの形を整えておくと、角の部分に重みが集中しやすくなり、より重さにも強くなります。横向きの力には弱く振動で崩れてしまいます。

交互列積み

ブロック積みを一段ずつ向きをかえていくものを、交互列積みとしています。縦よりも横向きの力に強い特徴があり、荷崩れする心配もなくなります。ただ、この積み方の場合、縦・横の大きさが合わないとできないやり方ともいえます。正方形になっている荷物のみ積み上げられる方法といえるでしょう。

ピンホール積み

ピンホール積みは、長方形の荷物を積み上げていくときに使われています。正方形の形にパレットを調整していき、真ん中部分のみ空気の通り道として空くようになります。そのため、温度管理が必要なものを積み上げる時にも使われている方法といえるでしょう。ただ、真ん中に隙間が出来てしまうことで、上部の積載率が低下してしまう点もあり、使いにくがでてきてしまいます。

ダブルピンホール積み

ダブルピンホール積みは、ピンホール型を発展させた方法です。真ん中に1つの穴を空けるだけでなく2つの隙間を作るようにして積み上げていきます。積載効率が高い方法でもあるため、より多くのパレットを積み上げたいときにも使えます。積み方がやや難しいのもあり、手作業のときには生産性の低下の原因になってしまうこともある点は注意しましょう。

レンガ積み

レンガ積みは、1つの段のなかで統一性のある積み方をするのではなく、向きを変えつつ行うことをいいます。棒のようになってしまうと積み上げられなくなってしまうため、少しずつ向きを変えて行くのもポイントです。長方形のような形になっているように見えることも多いのが特徴です。外から見たときに荷物を把握しやすく荷崩れしにくい特徴を持っています。

スプリット積み

レンガ積みを応用したものになり、横向きにして積み上げていくため隙間ができます。荷物の形状によって隙間ができてしまう特徴があるため、レンガ積みともよく似ています。あえて隙間を作ることによって、者を上から積んだときに荷崩れを起こしにくい仕様にしています。積みつけは簡単にできる点はメリット・デメリットといえるでしょう。

窓積み

窓積みは、縦向きの列を一列増やして積み上げていく方法です。荷物の側面が確認しやすい特徴を持っているため、検品のときに一度荷物を出す必要もありません。積み上げていく荷物の方向が一定になるように注意しつつ行うようにしておきましょう。

まとめ

物流パレットにも、さまざまな種類がありサイズ感や形状や積み方などがあるのがわかってもらえたと思います。物流パレットを使うことで、輸送・運送作業の効率化にも繋がりますし、作業員の負荷を軽減させることにも繋がっていきます。

また、荷物の破損リスクを低減させることにも繋がるため物流の効率化に大きく貢献してくれます。配送するものに適したパレット選びを行うようにしてください。物流パレットをお探しの方は、ROUTE88で中古パレットの購入も検討しましょう。

私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
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